盟三五大切
作品概要 | |
制作会社 | 松竹 |
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公開年度 | 2008年 |
内蔵助役 | --- |
評価 |
R指定(うそ)
かみかけてさんごたいせつ
四谷怪談の原作で有名な鶴屋南北が書いた、四谷怪談の10日後に上演されたバイオレンス歌舞伎。
四十七士、不破数右衛門のあり得ない「仮名手本忠臣蔵」のスピン・オフで、この話に引っ張り出された不和もイイ面の皮だなあと思う。
全体的に笑いが一杯詰まってるにもかかわらず愛憎入り交じり、人の因縁の皮肉さを、南北得意の(って、よく知らないけど)構成でおもしろくえがいた怪作。
猟奇的でありながら笑いがちりばめられてるという構成はホントいいセンスだなあと思う。なにしろ近年のドラマはバカみたいに戦争中のドラマは悲しく。偉人はどんな奇才でもまじめに描いちゃう、いわば能なし演出のドラマばかりだから、もともと日本人のクリエーターが持ってたこういうハイセンス、有り難し。
ストーリーは意外性に富んでるのであんまり言わない方がいいんだけど、ネタバレすると、不破数右衛門の惚れた芸者は夫、三五郎の100両の金策のために不和たぶらかす悪い女。お金をだまし取られた恨みがのちに不和の大量殺人を引き起こすが、そもそもその三五郎がどうしてカネが欲しいかというと、親父からの勘当を許してもらいたいがため。おやじは息子に金を作らせてどうしたいかというと、それを知り合いの不破の義援金にしたいがためなのだ。超ひにく〜!登場人物みんながお互いを知らないために皮肉なないまぜ劇が展開される。
三谷幸喜の喜劇みたい。
古畑任三郎第1シーズンの、マチャアキ演じる歌舞伎役者が人殺しをしたあとすぐに逃げなかった理由が「こんど盟三五大切の源五兵衛(不破数右衛門)を演るから劇中に出てくる、人を殺したあとで茶漬けを食べる心境を体験したかった」だった。三谷先生はコレ、好きなのかな。
昭和50年代からしばしば公演されているそうです。見たのは2008年の吉例顔見世大歌舞伎、歌舞伎座の公演。源五兵衛(不破数右衛門)を仁左衛門がものすごく演じた。