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おんな忠臣蔵〜汝、如何に愚かなりとも〜

418 バイト追加, 2020年6月5日 (金) 08:14
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 忠臣蔵部分のおウワサですが、今回は忠臣蔵(は劇中劇だし)そのものより、「その時代を生きた人の忠臣蔵観」に注目したい。
 たとえば大工の兄妹(<この妹は兵隊に取られた弟の嫁)が芝居の美術=松之廊下の背景の制作をたのまれると、ただの松の木の絵のカキワリを納品してツッコまれるというギャグエピソードがある。 たとえばコメディリリーフの大工の兄妹(<この妹は兵隊に取られた弟の嫁)が芝居の美術=松之廊下の背景の制作をたのまれると、ただの松の木の絵のカキワリを納品して、それをツッコまれるというギャグエピソードがある。
 天然な二人のキャラを紹介する小ボケシーンではあるが、昭和18年当時30でこぼこの年齢だとすると大正初期の生まれですよね。それが「松之廊下」を知らない…!?芝居か寄席か映画がエンタテインメントの主流の時代、そこには 天然な二人のキャラを紹介する小ボケシーンではあるが…  いや、サラッと受け流してもいいんだけど、昭和18年当時、30でこぼこの年齢だとすると大正初期の生まれでしょう?それが「松之廊下」を知らないって、どうなんでしょう。  芝居か寄席か映画がエンタテインメントの主流の時代、そこには'''必ず'''忠臣蔵や義士伝のコンテンツがあったその時代に生きながら、娯楽に対しては、頑なに目と耳をふさいで一切を受け付けないで生きてきた、特殊な環境にある大正男とその義理の妹って…?(ちなみに、大正時代は最も「忠臣蔵映画」のリリース量が多い時代である)…いや、そういう人がいなかったとは言いませんよ。言いませんけどでも〜……忠臣蔵や義士伝のコンテンツがあった時代に、「松の廊下」を知らない…ということは娯楽に対しては、寺の地芝居もラジオにも、頑なに目と耳をふさいで一切の情報を受け付けない環境で生きてきた、大正男とその義理の妹…っていう特殊な設定になっちゃう(さらに言えば、ふたつの家族が、その特殊環境にあることになる。ちなみに、大正時代は最も「忠臣蔵映画」のリリース量が多い)…いや、その時代にそういう人達がいなかったとは言いませんけど、本筋にまったく関係のないバックグラウンド。
 あとね、ハーフの女性が忠臣蔵劇のどの部分だったか、アメリカ人的なスタンスから日本人の精神的なこと(だったか行為だったか失念)で演出に物言いをするシーンもあった。それ面白いんですけど、彼女は帰国子女じゃなくハーフってだけで日本で育ってるんですよね…?
 特にリアリティに主眼を置いてない肩のこらない喜劇なので、登場人物同士の会話の中に説明があることで忠臣蔵に暗い現代人の鑑賞者へわかりやすい解説サービスも兼ねているのだが、それにしてもそぉんなどいつもこいつも「忠臣蔵ビギナー」の明治&大正生まれって…いくらなんでも当時そこまで無名ではないだろぉ忠臣蔵!(笑)。と、ちょっと思った。
 戦争中にタイムスリップした平成女子のものがたり…であるかのようなピチピチ感であります。 あまりに「当時」のイメージがおざなりで、戦争中にタイムスリップした平成女子のものがたり…であるかのようなピチピチ感であります。