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オペラ忠臣蔵
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{{Cinema| width制作="200px" border舞台|公開="1" cellpadding1997|内蔵助=直野資(baritone)|星="4" cellspacing|頃="0" align="right"}}三枝成彰(さえぐさしげあき)作曲のオペラ。 そもそもあたしはオペラに関してまったく暗いんですが、本作品の印象はひじょうにイイです。 最初CDで聴いて「う〜〜〜きさまは〜おつかれの〜ごよぉす〜〜」なんて、高級なパロディにも聴こえて楽しかったが、ビデオでビジュアルを見ると「オペラでやるならこうだろう」という、ひじょうにストイックな舞台美術(基本的に奧がせり上がっている、小道具などがなんにもない坂のような舞台があるだけ。そこに幕ごとにカーテンや支柱が現れる)から心意気がつたわってきてかなりお洒落。 おはなしは、すでに討ち入りを終えて松平家でお預けになってる[[大石主税| colspan="2" align="center" |主税]](メゾ・ソプラノ坂本 朱)や[[岡野金右衛門]](テノール〜違いのわかる男〜錦織 健)の会話で始まり、白装束の彼らは死を目の前にして、出すものを出した[[堀部安兵衛]](バリトン福島明也)も交え、事件に関してのそれぞれの思いと「男と女」について三重唱で語り合う。そんなオープニング。 死を目の前にした金右衛門の回想から、おはなしは事件の発端までさかのぼる。岡野金右衛門で始まると言う事はすなわち、この作品が'''作品概要メロドラマに焦点が当てられてる'''事を象徴している。第二幕になると遊郭で遊女と心中する[[橋本平左衛門]](テノール小林一夫)も登場する。 全三幕の構成。 |-! 制作会社ほぼぬかりない内容に、よっぽど忠臣蔵をよく知ってるおじいさんが台本を書いてるのかと思ったら、あたしと4つしか年の変わらない、当時36歳の作家・島田雅彦氏の仕事だった。2010年現在・芥川賞選考委員。| 舞台|-氏はライナーノーツの中で、資料を調べて要素を紡ぐのは小説家なら誰でもやってるからどうって事はないが、舞台で歌うに適した音節を連ねることが困難だったと言っている。誠に興味深い。! 公開年度| 1997年いわゆる「作詞」が難儀だというわけだがどうしてどうして苦心の甲斐あってか、たとえば金右衛門の本心が計り知れない[[お艶]]がアリアで「あたしは笑いそこねた顔のまま ため息をついて待っている」という歌謡曲のようなフレーズがあるかと思うと、「あたしはあんたの影にも惚れた〜あんたのかたわれは彼岸を見ている」というツボな忠臣蔵な詞まで、'''超いいかんじ'''なのであります。|-! 内蔵助役特に第三幕。平左衛門「俺はあの世でお前を夢に見る。お前はこの世で俺の夢を見てくれ」と別れを告げようとすると、遊女・綾衣は「この世で見る夢はもうたくさん あんたとあの世で夢を見たい あんたとあの世で夢を見たい」ってこれね、泣けますよ。ソプラノ佐藤しのぶさんの歌声がまた最高。しまいに「私を殺して」ですもの(涙)。| 直野資(baritone)|-! 評価討ち入り。| ★★|}装束は雁木模様の羽織以外はまちまちで、さらに羽織の着こなしもまちまちなので実にカラフルな統一感の無さでコーデされており、独特なこだわりをかんじる。内蔵助の火事兜についてるシコロが真っ赤で、こういうカラーリングは豊国の浮世絵でしかお目にかかったことがない。
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1997]]