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オペラ忠臣蔵

143 バイト追加, 2017年5月4日 (木) 12:44
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そもそもあたしはオペラに関してまったく暗いんですが、本作品の印象はひじょうにイイです。
最初CDで聴いて「う〜〜〜きさまは〜おつかれの〜ごよぉす〜〜」なんて、高級なパロディにも聴こえて楽しかったが、ビデオでビジュアルを見ると「オペラでやるならこうだろう」という、ひじょうにストイックな舞台美術(基本的に奧がせり上がっている、小道具などがなんにもない坂のような舞台があるだけ。そこに幕ごとにカーテンや支柱が現れる)から心意気がつたわってきてかなりシャレオツ。最初CDで聴いて「う〜〜〜きさまは〜おつかれの〜ごよぉす〜〜」なんて、高級なパロディにも聴こえて楽しかったが、ビデオでビジュアルを見ると「オペラでやるならこうだろう」という、ひじょうにストイックな舞台美術(基本的に奧がせり上がっている、小道具などがなんにもない坂のような舞台があるだけ。そこに幕ごとにカーテンや支柱が現れる)から心意気がつたわってきてかなりお洒落。
ほぼぬかりない内容に、よっぽど忠臣蔵をよく知ってるおじいさんが台本を書いてるのかと思ったら、あたしと4つしか年の変わらない、当時36歳の作家・島田雅彦氏の仕事だった。現・芥川賞選考委員。ほぼぬかりない内容に、よっぽど忠臣蔵をよく知ってるおじいさんが台本を書いてるのかと思ったら、あたしと4つしか年の変わらない、当時36歳の作家・島田雅彦氏の仕事だった。2010年現在・芥川賞選考委員。
氏はライナーノートの中で、資料を調べて要素を紡ぐのは小説家なら誰でもやってるからどうって事はないが、舞台で歌うに適した音節を連ねることが困難だったと言っている。誠に興味深い。氏はライナーノーツの中で、資料を調べて要素を紡ぐのは小説家なら誰でもやってるからどうって事はないが、舞台で歌うに適した音節を連ねることが困難だったと言っている。誠に興味深い。
いわゆる「作詞」が難儀だというわけだがどうしてどうして苦心の甲斐あってか、たとえば金右衛門の本心が計り知れない[[お艶]]がアリアで「あたしは笑いそこねた顔のまま ため息をついて待っている」という歌謡曲のようなフレーズがあるかと思うと、「あたしはあんたの影にも惚れた〜あんたのかたわれは彼岸を見ている」というツボな忠臣蔵な詞まで、'''超いいかんじ'''なのであります。
討ち入り。
装束は雁木模様の羽織以外はまちまちで、さらに羽織の着こなしもまちまちなので実にカラフルな統一感の無さで統一されており、独特なこだわりをかんじる。内蔵助の火事兜についてるシコロが真っ赤で、こういうカラーリングは豊国の浮世絵でしかお目にかかったことがない。装束は雁木模様の羽織以外はまちまちで、さらに羽織の着こなしもまちまちなので実にカラフルな統一感の無さでコーデされており、独特なこだわりをかんじる。内蔵助の火事兜についてるシコロが真っ赤で、こういうカラーリングは豊国の浮世絵でしかお目にかかったことがない。
陣太鼓をイメージしたようなティンパニーの連打には迫力があり、演出や照明による舞台効果にも緊迫感に満ちている。陣太鼓をイメージしたようなティンパニーの連打には迫力があり、演出や照明による舞台効果にも緊迫感がいきわたっている。
オペラ素人が聴いてても、現場々々の緊張感や心理状態の起伏が音楽で表現されてて相当楽しめます。
もともとオペラが好きでいっぱい見てる人のサイトレビューには辛いのもあったり「日本のオペラもここまで来たか」と賞賛の声もあったりとまちまち。もともとオペラが好きでいっぱい見てる人のサイトレビューには辛いのもあったり「日本のオペラもここまで来たか」と賞賛の声もあったりとさまざま。
三枝成彰さんにお会いしたときビデオもCDも持ってると言ったら恐縮してくださいました。やはり深夜におよぶ根をつめた仕事中の気分転換にはポルノだそうです。三枝成彰さんにお会いしたときビデオもCDも持ってると言ったら恐縮してくださいました。やはり深夜におよぶ根をつめた仕事中の気分転換にはポルノだそうです(が、昔と違ってセクハラ問題があるため、現在はいろいろ遠慮がちだそうですw。親近感…)。
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1997]]

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