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中村仲蔵

282 バイト追加, 2021年4月19日 (月) 10:37
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さて内容は、通常版よりも"血の無い"仲蔵の苦労がひときわで、周囲のやっかみがすごい。
「楽屋雀め、見ていやがれ」という意地と根性と才能で「シン・定九郎」を考案に至らしめる仲蔵像は良い意味で重たく、「弁当幕」の客の静まり返ったリアクションも数日に及ぶ。コレいわゆる「客に蹴られた」と仲蔵が誤解し絶望感に浸る場面だが、水を打ったように静まり返る場の緊張感に赤ん坊が急に泣き出すシーンもなかなか圧巻。「楽屋雀め、見ていやがれ」という意地と根性と才能で「シン・定九郎」を考案に至らしめる仲蔵像は良い意味で重たく、「弁当幕」の客の静まり返ったリアクションも数日に及ぶ<small>(註釈01)</small>。コレいわゆる「客に蹴られた」と仲蔵が誤解し絶望感に浸る場面だが、水を打ったように静まり返る場の緊張感に赤ん坊が急に泣き出すシーンもなかなか圧巻。<small>(註釈02)</small>
仲蔵は落語ではカミさんと相談して上方へ旅にでようとするが、松之丞バージョンは首をくくろうとする(ちなみに独身。これらは仲蔵の生き様を強調するためのアレンジだそうだ)。
心理描写や状況描写を落語よりもずいぶんと引っ張るので、松之丞さんの芝居がかったパフォーマンスと相まって、静まり返った五段目の上演が何日か経った超満員の客席から、最初に大向うから声援が飛んだのを皮切りに場内が沸き返るような騒ぎになるシーンでは、張り詰めた弓が急に緩んだように、こちらの涙がドバーッと出る。
この話ではお手本となる浪人を目撃はしてもコンタクトをしないので、念願の [[「此村大吉」もの|此村大吉]]のエピソードに触れられるのか!?と思ったが、なんにもなかった。<small>(註釈02)(註釈03)</small> いろんなシチュエーションが陰気臭いにもかかわらず、すごくドラマチックで傑作。 
先述の彦六バージョンは、定九郎の開発について周囲の役者にごちそうして急な変更の挨拶をして口裏を合わせて協力を得るが、この講談版の仲蔵は、血統差別と徹底的に闘う。
いろんなシチュエーションが陰気臭いにもかかわらず、すごくドラマチックで傑作。
註釈01…落語(彦六版)では、仲蔵は定九郎の開発について周囲の役者にごちそうして急な変更の挨拶をして口裏を合わせて協力を得るが、この講談版の仲蔵は、周囲全部を敵に回す。これは落語版の「見ていやがれ」の対象が、しょぼい役を振った師匠に当てられているのに対して、講談版は周囲のライバルに向けられているので、ここんところが変わってくる。
註釈01…赤ちゃんのオリジナルは、三遊亭圓生(6th)じゃないかしら。ちなみに圓生版では、団十郎が感動するところでエモ。註釈02…赤ちゃんのオリジナルは、三遊亭圓生(6th)じゃないかしら。ちなみに圓生版では、団十郎が感動するところでエモ。
註釈02…講談の登場人物で、映画にもなってる此村大吉は、こっちじゃなくて「旗本五人男」という30席以上ある長編講談の登場人物。冒頭で捨て子だった仲蔵(船頭の甥っ子じゃねえのかよ)の逸話註釈03…講談の登場人物で、映画にもなってる此村大吉は、こっちじゃなくて「旗本五人男」という30席以上ある長編講談の登場人物。冒頭で捨て子だった仲蔵(船頭の甥っ子じゃねえのかよ)の逸話
が触れられ、大吉が仲蔵に目撃されるのは蕎麦屋ではなく土手を走っているシチュエーションになっている。

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