元禄名槍伝 豪快一代男
作品概要 | |
制作会社 | 松竹 |
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公開年度 | 1955年 |
内蔵助役 | --- |
評価 |
主演・近衛十四郞(松方弘樹、目黒祐樹のお父さん)
俵星玄蕃・エピソード1 ビギンズ。
江戸で道場経営を始めるきっかけ、俵の曲突きがどうやって生まれたかなどが描かれる。
膳所藩(ぜぜはん)でお勤めの槍の名手、俵星玄蕃。
酒好きがたたり昼間から酔っぱらって、参勤で江戸下向中の赤穂浅野家の大名行列中と一悶着。ケンカ騒ぎとなってしまい、藩をクビになる。
江戸で道場経営を始めるがうまくいかず、困窮して道場をやくざの賭場に貸すが、たちのわるい親分をとっちめようと町中で槍を振るったところを上杉家の人間が見てスカウト。快諾してしまう(!?)
膳所藩が玄蕃を切腹にしようとした時にかばってくれた恩義のある浅野家に背を向けて、なんで上杉家に仕官なんかするのか周囲がわからないうちに陣太鼓が聞こえると玄蕃は飛び出していって、橋で上杉勢(だと思う。名乗らないからわからない)を通せんぼしてバタバタ斬り殺す…。
近衛十四郞本人の痛快な魅力と、彼の槍の妙技が一番の見せ所で、内容的にはツッコミどころが多い作品。玄蕃の真意がよくわからない。
この頃のスピン・オフものは脇役におせっかいな娘、その彼女が嫉妬する武家のおしとやかな娘。にぎやかしのコメディアン、という編成がおきまりだが、この作品もそうで、とりたててストーリーに特別な工夫はない。
というか、このおきまりを優先してしまって、杉野十平次とは知り合うが友情は生まれない。これ、もったいないかなあ。(そもそも玄蕃の、赤穂浅野家への同情は希薄で、さらに演じてる赤穂浅野役者にも演出にも、可愛げと言うか、魅力が足りない)
愉快なシーンにしてもアクションシーンにしても、盛り上げようと思えばいくらでもいけそうなシーンがいくつもあるのだが、もったいないことに活かせてないのは、どういう限界なのか?
とはいえ、1時間ほどの尺だし、ずっとニコニコして見ていられる、手軽なファストフードのような作品でした。
「豪快一代男」というタイトルの映画はこの作品より前に数本あるらしいが、それもまた玄蕃を主人公にしたこのような内容なのか知らん。