さて、最初のほうで、高倉健の大石内蔵助が劇画から飛び出したようなあまりのカッコよさなので、後半の討ち入りに期待をしちゃうのだが、残念なことに吉良屋敷に'''妙な仕掛けからくり'''が多く、おかげでテンポが崩れ(というかずっとリアルだったのに急に作り事っぽくなる転調)、痛快な討ち入りシーンには仕上がっていない。そこに輪を掛けて本作の魅力の「静けさ」が討ち入りにまで保たれちゃって、なんというか、惜しい。
もうひとつ言うと、この「静かな戦闘シーン」が中盤の、山科の大石宅での間者との戦闘シーンでは成功していて圧倒的に良い。