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大忠臣蔵
,編集の要約なし
{{Cinema|制作=松竹|公開=1957|内蔵助=市川猿之助|星=4|頃=}}[[画像:Daicyusingura_panf.jpg|thumb|公開当時のパンフレット]]
[[画像:Kanpei_s.jpg|thumb|役者絵:高田 浩吉]]
とにかくすごく丁寧でくそまじめな作品。
映画は松の廊下事件から始まる。原作のかたちを画にしようとしてるので、刃傷は長裃姿で及ぶ。そういうスタイルは知る限りではこの映画と[[忠臣蔵松の廊下|ドリフ大爆笑]]しか見たことが無い。(あ、あと[[忠臣蔵ー花に散り雪に散りー|宝塚]]もそうでした。)
さてこの場面、歌舞伎は舞台の関係で便宜上「二階」としてあるお軽のいる場所がわりと低い中二階的なセットだが、これが映画でも二階を再現せず、中二階の体裁のままになってる。(七段目に出てくる九ツ階子=9段梯子は現在の建材メーカーのサイトで見てみると5メートルの長さである。)
これは〜、どうでしょう!?
高千穂ひずるさんのはだけるおみ脚が見たかったなあ!映画だからこそ由良之助の目線がビジュアル化できるのに!やってほしかったなあ!こういうところが「カタブツ」な本作の特徴であります。減点。 原作ではおかると兄の寺岡平右衛門(この映画では寺坂吉右衛門と混ざった名前で寺坂平右衛門となっている)のシーンがホロリとさせられるが、この映画ではそのあと内蔵助が斧九太夫を縁の下から引っ張り出して悔やむシーンにグッと来る。原作と比較すると、こうしたメディアによる効果の違いも楽しめます。 八〜九段目にあたる[[小浪]](嵯峨三智子)と[[戸無瀬]](山田五十鈴)もすごく良かった。この映画、女優陣が素敵で、女形でおなじみの女三人のこのシークエンスを'''本女がやる'''という、これは漫画原作が実写になるくらいワクワク。さらにこの義理の母娘を、18歳当時デキ婚で山田五十鈴が生んだものの育児放棄した嵯峨三智子との微妙な関係の二人(仲は険悪だったとか)でやるというすごいキャスティングも見もの(共演で言えば「[[女間者秘聞 赤穂浪士|女間者秘聞]]」もあるが、ツーショットで母娘役というのがドキドキいたします)。。 原作の九段目は後半がいささか「長いな」とかんじるのに対し、本作のバージョンは簡潔に整理されてるし、まさに「映画化」の意味のある場面である。 丸本に無いシーンで、名場面の[[立花左近|「大石東下り」]]が出てくるが、関所の舞台面で「勧進帳」の体裁でやってるのが面白い。 討ち入りは歌舞伎ほど華麗な立ち回りは無い。 [[清水一学|清水一角]]が戦ってるときに、背景に見切れている邸内でなにかがショートしたような何度か青く光るのは、なんの事故でござろうか。かきわりの赤穂城のパースが狂ってたり、セリフ噛んでてもオン・エアになってたり、この映画には妙なゆるさがある(笑)。この一角、敵にしては話せるキャラなのだが、とにかくなかなか死なないのがちょっと可笑しい。が戦ってるときに、背景に見切れている邸内でなにかがショートしたように何度か青く光るのは、なんの事故でござろうか。かきわりの赤穂城のパースが狂ってたり、セリフ噛んでてもオン・エアになってたりなどのバグもあり、この映画には独特なゆるさがある(笑)。ちなみにこの一角、敵にしては話せるキャラなのだが、とにかくなかなか死なないのがちょっと可笑しい。
DVDには特典に歌川国貞の歌舞伎の浮世絵が入ってる。
<gallery>画像:Scan-22.jpg |あッ二人が並んで笑っているッ!(パンフより) 画像:Daicyusingura.jpg |松竹ニュース</gallery> == 関連作品 == * [[假名手本忠臣蔵’61/義士始末記’62]](松竹)…同じスタッフ&キャストで作った、本作の増補改訂版。 映画「假名手本忠臣蔵」は、おかる勘平エピソードを極限まで削って、九段目と比重を同じようにし、全体のBGMを劇伴から義太夫に変えている。 「義士始末記」はその後編にあたる討ち入り後の後日譚で、古典と関係の無いオリジナルストーリー。 <div class="thumb tleft"><div width="240px"><amazon>B009IX4BH8</amazon><amazon>B0000C64R1</amazon></div></div>
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評| 1957]]