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忠臣蔵・序 ビッグバン/抜刀

2,210 バイト追加, 2019年11月11日 (月) 11:25
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前回見て「いいな」と思った役者さん([[高野権中納言|大納言安春]]役と、当時の[[多門伝八郎]]=今回は[[堀部安兵衛|安兵衛]]役)の出番が増えてうれしかった。そして、登場人物をすごく整理してある。
美術もシンプルで効果的で素敵。美術もシンプルで効果的で機能的で素敵。
衣裳もひじょうに洗練されている。ビジュアル的にいろいろ無駄が無い。
先回申し上げたデタラメについては、今回はおおいに遊んでいるかんじで、聞いたこともない赤穂浪士たちの思惑が面白かった。先回申し上げたデタラメについては、今回はおおいに遊んでいるかんじで、聞いたこともない赤穂浪士たち(討ち入りにはオリジナリティあふれる言い分があって、先回の心配は払拭された)の思惑が面白かった。<small>(註釈01)</small>
でも、
「これは、わかっててあえてふざけているのか。それとも、不勉強でこういうシーンを作っちゃったのか」
と、思ったとき、前回あれだけ気になった「仮名手本忠臣蔵原作」を、またぞろ性懲りもなく、劇場で配ってるチラシでクチにしてた演出家さんのコメントが頭をかすめて、とたんに目の前で繰り広げられてるアレコレががっかりしたものに見えてきて、興ざめしてしまうのであった。と、思ったとき、前回あれだけ気になった「仮名手本忠臣蔵原作」を、またぞろ性懲りもなく、今回も劇場で配ってるチラシで演出家さんがクチにしてたのが頭をかすめると、「ああ…テキトーなんだな」と、とたんに目の前で繰り広げられてるアレコレがガッカリなモノに見えてきて、興ざめしてしまうのでありました。<small>(註釈01)(註釈02)</small> 周囲のディティールがテキトーだから、根幹のデタラメを支え切れず、全体的にタワゴトになった。  あたしはひきずったんですね。ともかく。
どうしてそこばかり気になるかというと、この芝居を「現代日本演劇のルーツ」シリーズの一貫として堂々とリリースしてるからなのであります。
つまり先回から1年経っても、なんのエクスキューズも無く、シャアシャアと「仮名手本忠臣蔵原作」を言ってしまうという態度は、どうせこんなもんだろうという「ルーツ」や「忠臣蔵劇」に対する軽視か、どうせ客にはわからないだろうという侮辱なのか、いずれにしろひじょうに印象が悪い。つまり先回から1年経っても、なんのエクスキューズも無く、シャアシャアと「仮名手本忠臣蔵原作」を言ってしまうという態度は、どうせこんなもんだろうと「ルーツ」や「忠臣蔵劇」を軽視しているのか、どうせ客にはわからないだろうという侮辱なのか、いずれにしろひじょうに印象が悪い。 こう言っちゃ悪いかもだけどコレ、ユーザーに対して、偽装の食品表示ラベル貼る業者と、同じあやまちを犯している。(同時に、過去にこの劇団が上演しているという、カミカケテとかアブラジゴクはちゃんとやってて仮名手本だけがこんななのか、いつもだいたいこんなふうなのかという不信感もつのる。) その非礼を挽回するほどの衝撃は、作品からは、ひびいてこなかった。 演出家さんの往生際の悪さを誰も諌めることが出来なかった、この団体をとりまく現場全体の限界もそこに見るのであります。(本作が「仮名手本を原作にして創作した脚本家の作品」だとする、責任転嫁みたいな説明がチラシにあるが、脚本家さんは納得づくなのかなあ。作品は、完全な赤穂事件のモジリであって、忠臣蔵要素<small>(註釈03)</small>のチの字も出てこないのだ。)  伊丹までいそいそと観に行った自分が愛しいので、星2つとさせていただきます。役者さんみんな良かったし。([[大野九郎兵衛]]の人だけ、フワフワっとしていたけど。ちなみに九郎兵衛も四十七士。)    註釈01…以下ネタバレ。本作で一番特徴的なのは、討ち入りのあとに上杉が攻めて来れば戦争になるから、それでこの世をまた戦国時代にしようという赤穂浪士の思惑。なかなかよいデタラメだが、構成がいたって堅苦しく、長〜い立ち話と、ありえない相関関係(外様大名が急に吉良クラスの高家衆に配置替えになったり、公家が浪人を遊里で接待したりをギャグじゃなく、やる)のせいで、デタラメのバラエティ性は完全に霞んだ。
その非礼を挽回するほどの衝撃は、作品からはひびいてこなかった。実際は、討ち入り自体が討ち死に覚悟の戦争なんだけど、現代人の視点で書いてるから、展望が吉良邸襲撃が成功するのが当たり前という前提の上に成り立っている。
せっかく美味しい寿司をいただいてたのに、大将がチンポジを直して手を洗わないで次のネタを握ってるのを見ちゃった気分である。(手を洗わないのには言い分があるのかもしれないが、それは客にはわからないし、ズボンに手を突っ込んでたのは事実なのだ)
演出家さんの往生際の悪さを誰も諌めることが出来なかったのかな?と、この団体をとりまく現場全体の限界もそこに見るのであります。註釈02…公演を宣伝するネットやチラシからは「仮名手本忠臣蔵」の文字が消えていたので、ホッとしてたのに…。つか、俺が「原作」の意味を取り違えているのかなあ。
つか、あとで気づいたんだけど、劇団のホームページで「近松門左衛門原作」なんて言ってるんで、コレ、'''あたしが熱吹く相手を大いに間違えてる'''気がしてきた…。
あとあの〜。デタラメやるにしては持ってきてる反体制的なテーマがちゃんとしすぎ。テーマが硬くて長台詞が多いほど、当時を語る上での相関関係の手薄が目立ってくる。
註釈03…いわゆるおなじみの名場面アレコレの話。しっかし近頃の芝居や映像作品は、作家の手から手へ渡されてはぐくんだソッチではなく、だれもかれも、とかく赤穂事件をハナから題材にとってどうにかしようとする暴挙が目立つ。
伊丹まで観に行った自分が愛しいので、星2つとさせていただきます。役者さんみんな良かったし。([[大野九郎兵衛]]の人だけ、フワフワっとしていたけど)故人曰く「型を会得した人間がそれを破ることを『型破り』というのであって、型のない人間がそれをやろうとするのは、ただの『かたなし』です。」
註釈01…講演を宣伝するネットやチラシからは「仮名手本忠臣蔵」の文字が消えていたのでホッとしてたのに…。つか、俺が「原作」の意味を取り違えているのかなあ。
あと、これ三部作と言っていましたが、どうやらこれでオワリっぽい。あと、これ三部作と言っていましたが、どうやらこれでオワリっぽいです。

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