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忠臣蔵(大映)
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{{Cinema|制作=大映|公開=1958|内蔵助=長谷川一夫|星=34|頃=}}
[[画像:Katsu_s.jpg|thumb|役者絵:勝 新太郎]][[画像:okano00.jpg|thumb|役者絵:鶴田浩二]]
長谷川一夫がはじめて内蔵助をやった映画で(判官は7回やっている)、さらに創立以来18年、大映がはじめて「忠臣蔵」を本格的に映画化した作品だとか(外伝、銘々伝系はあった)。
出演者の目張りがすごいんで油断すると全員同じ顔に見える。
前半はなんだか展開を急いでる感じがして、ちょっと登場人物に共感できない。反面、ストイックで無駄のない進み方が気持ちよい感じも、する。だがそのスピードにスター市川雷蔵も巻き込まれてしまうので、せっかくの大映映画だがゆっくり雷蔵を楽しむことはできない。(そもそも監督の渡辺邦男は撮るのもすごく早いらしい)
とはいえ、切腹までとりあえずワンマンショーばりに約30分間"'''でずっぱり'''"ではある。
雷蔵曰く「内匠頭はアホやないかと思うんです。そこをいかに清潔で正義感で家来思いで愛妻家で、こんな人が切腹させられるなんて!と観客に思わせなくてはいけない。」(別冊近代映画 '58)
そうして仕上がった彼の浅野内匠頭は素敵だが、シンが強そうなのでとことん「かわいそう」には見えない。切腹のときも無刀無言で面会が許されてるはずの[[片岡源五右衛門]]と、あっさり会話してるしw。
後半は急に落ち着いた、丁寧なドラマ構成になっている。鶴田浩二の[[岡野金右衛門]]が露出度が多く、吉良側の間者の京マチ子のシークエンスも多い。このあたりのめりはりが映画を退屈させない。
あと、「大石東下り」の[[垣見五郎兵衛]]役の中村鴈治郎がいい。この人、黒澤の「どん底」もそうなんだけど、顔がちょっと恐いわりにどこかカワイイのです。
長谷川一夫の細かい気を使った演じぶり(抑えめのオーバーアクション)や、台詞一行に感じる重みが楽しめればマジメな忠臣蔵ファンには期待を裏切らない「おとなのつくりこみ」だが、チャラいところがない隙の無さがビギナーには堅苦しいかも?
註01…赤垣源蔵役で映像版の徳利の別れを好演した勝新太郎は当時のインタビューで「自分は二枚目に固執してるわけじゃないし三枚目もきらいじゃない。作品によっては唄えと言われれば唄ってもいいと思うんですが、いろんなタイプのものに出ていると、へんに器用な点で止まってしまうんではないか。だから年に一本でも二本でも、僕のために考えてくれたような企画に恵まれて若さのある間に力いっぱいぶつかってみたい。」と言っている(別冊近代映画 '58)。
忠臣蔵系ではこの翌年「[[薄桜記]]」に出るが、1960年にめでたく座頭市の原型「不知火検校」を演って、1961に「[[ドドンパ酔虎伝]]」やったあと(もちろんほかにもいっぱい出てますよ)遂に1962年、ライフワークとなる「座頭市物語」のリリースに至る。おめでとうございます。
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[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1958]]