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忠臣蔵(大映)
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{{Cinema| width制作="200px" border大映|公開=1958|内蔵助="1" cellpadding長谷川一夫|星="4" cellspacing|頃="0" align="right"}}[[画像:Katsu_s.jpg|thumb|役者絵:勝 新太郎]][[画像:okano00.jpg|thumb| colspan="2" align="center役者絵:鶴田浩二]] 映画生活三十余年の長谷川一夫が、はじめて内蔵助をやった映画で(判官は7回やっている)、さらに創立以来18年、大映(この頃、やや不振)がはじめて「忠臣蔵」を本格的に映画化した作品だとか(外伝、銘々伝系はあった)。 出演者の目張りがすごいんで、油断すると全員同じ顔に見える。 前半はなんだか展開がセカセカしてる感じがして、ちょっと登場人物に共感できない。反面、ストイックで無駄のない進み方が気持ちよい感じも、する。(そもそも監督の渡辺邦男は撮るのもすごく早いらしい) だがそのスピードに当時若手のスター・市川雷蔵=[[浅野内匠頭]]も巻き込まれてしまうが、とはいえ、切腹までとりあえずワンマンショーばりに約30分間" |'''作品概要でずっぱり'''"ではある。|-! 制作会社雷蔵曰く「内匠頭はアホやないかと思うんです。そこをいかに清潔で正義感で家来思いで愛妻家で、こんな人が切腹させられるなんて!と観客に思わせなくてはいけない。」<small>(別冊近代映画 '58)</small> そうして仕上がった彼の浅野内匠頭は素敵だが、シンが強そうなのでとことん「かわいそう」には見えない。切腹のときも無刀無言で面会が許されてるはずの[[片岡源五右衛門]]と、あっさり会話してるしw。 | 大映|-後半は急に落ち着いた、丁寧なドラマ構成になっている。鶴田浩二の[[岡野金右衛門]]が露出度が多く、吉良側の間者の京マチ子のシークエンスも多い。このあたりのめりはりが映画を退屈させない。! 公開年度| 1958年京マチ子同様、吉良のために働くあらくれ侍の親分である[[小林平八郎]](田崎潤)が、ドラマ史上上位にランクされる乱暴者で、絶えず人を見下すような態度の滝沢修演じる吉良上野介と共に敵キャラの存在感を上げ、浪士を応援する鑑賞者の気持ちをブレさせない。|-! 内蔵助役| 長谷川一夫急いだ前半とたっぷりした後半の隙間に、比較的愉快な[[赤埴源蔵]](カツシン。<small>註01</small>)や[[勝田新左衛門]]のお父さん(志村喬)のエピソードが息抜きに挟まれており、この強弱もイイ。いよいよ内蔵助が東へ下る?てときにポーンと入ってくるんで気分がリフレッシュいたします。|-! 評価あと、「大石東下り」の[[垣見五郎兵衛]]役の中村鴈治郎がいい。この人、黒澤の「どん底」もそうなんだけど、顔がちょっと恐いわりにどこかカワイイのです。 | ★★★|}これらのエピソードのおかげで東映や東宝に比べて本作品は、'''講談色が濃い'''。
もともと渡辺邦男監督は「ひねくれた解釈なしに、誰にでもよくわかり、面白く見られる、言うなれば「講談忠臣蔵」を作りたいと思っている」と語っていたそうです。<small>(別冊近代映画 '58)</small> 大映でメガホンを取るのは初めての渡辺監督は、いったんは大映常務の松山英夫([[画像:Katsu_s.jpg忠臣蔵 地の巻/天の巻|thumb|役者絵:勝 新太郎日活時代にバンツマで忠臣蔵]]を成功させている)の直々のオファーを断っているが、松山の「講談調の忠臣蔵を…」の、言葉に動かされたという。<small>(昭和33年「アサヒ芸能」NO.614)</small> 結果、本作は奥することなく正調忠臣蔵を言っていい作品には仕上がっているが、いささか泥臭い。 この映画でもっとも特徴的なのは、全編にわたって要所要所で[[画像:okano00.jpg|thumb|役者絵:鶴田浩二多門伝八郎]]が月光仮面(怪傑黒頭巾?)のように奔走してかなり浪士側をバックアップしてくれる部分。 長谷川一夫の細かい気を使った演じぶり(抑えめのオーバーアクション)や、台詞一行に感じる重みが楽しめればマジメな忠臣蔵ファンには期待を裏切らない「おとなのつくりこみ」だが、チャラいところがない隙の無さがビギナーには堅苦しいかも?
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[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1958]]