忠臣蔵1/47

提供: Kusupedia
2008年9月4日 (木) 15:17時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 フジテレビ
公開年度 2001年
内蔵助役 佐藤浩市
評価
役者絵:木村拓哉

主役は木村拓哉の堀部安兵衛。

オープニング、かっこ良くなりそうな雰囲気出てんだけどなあ。

悪い意味で優等生的な作品。

「これまでにない忠臣蔵」を目指すのも結構だし、おはなしはこざっぱりまとめてあるし、ところどころ斬新だし、スタッフやキャストは無難に仕事をこなして入るんだけど、トータルでは「こだわり」の無さだけを感じてしまう。気合いが伝わってこないというか、全編が「のっぺり」している。

「あ、どうぞどうぞ」と、行儀のいいスタッフがお互いを譲り合って大胆な仕事を避けて、無事故に終わったが、そのかわり思い出が無い遠足ってかんじ。

四十七士ってかっこいいのもいれば無骨もいればバカもお笑いもいろいろいるわけでしょう?そういう強弱がぜんぜん無いんですよ。「まったいら」なの。

アソビが徹底的に無い。

キャラが「生き生き」してないから死に行く義士にも、生き残った脱盟者にも興味が持てない。即ち脚本家が訴えようとした?「生きろ」というメッセージも伝わってこない。

役者をそろえておきながらよくあれだけ極彩色豊かな「忠臣蔵」をこんだけ油を抜いて仕上げられたなと思う。

おいしいところを全部安兵衛にやらせる構成は、やり方によってはすごくバカバカしくなっておもしろくもなるだろうに、これもうまくいってない。

破天荒でユニークなはずの安兵衛像が全編ツツマシヤかで、キムタクの奮闘があさってを向いている。たぶん安兵衛像から徹底的に「愛嬌」を抜いたからかな。事務所の意向だとしたら最悪のご決断ですな。

見方を変えると、時代劇を平成風な演出にしようという試みにも見受けられなくもないのだが、ならいっそのこと台詞を「一晩で畳替え無理っしょ」とか「即日ハラ切るのおかしくね?」「待つの超〜だりい!」とでもすりゃよかったのだ。

討ち入りはけっこう見せ場として完成度が高いが、あれだけだだっ広い吉良邸なのに、一角でごちゃごちゃ密集してチャンバラやってるのがなんとも奇妙。

最後の最後に魅力的なカットがあったし、泉岳寺の土産物屋の若女将さんとこの作品の話題になったが彼女は「キムタクがタクアン食べてましたネ」と言ってた。そうやって要所要所によさそうなシーンがあるんだけど、もっと徹底的にぶちこわしてほしかったかなあ。遠慮がなあ。 見かけがいいから「抱いていいのよ」って許したのに、かなりふつうのセックスだった、というようなシラケ方に似ている。

とにかく全体を通して「こういう忠臣蔵だった」と言うのがむずかしい作品。