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携帯忠臣蔵〜世にも奇妙な物語 映画の特別編〜

225 バイト追加, 2021年10月2日 (土) 07:24
編集の要約なし
 いくらでも面白くなりそうな「忠臣蔵」「携帯電話」「タイムパラドックス」という三題噺を完全に台無しにしてしまった惜しい作品。
 
<ネタバレ注意>
 ストーリー:未来から[[大石内蔵助]]に一台、携帯が送られてくる。電話の向こうからは「歴史上のことがホントにあったのか調べるためにかけてます。討ち入りはするんですか?」の声。死にたくない内蔵助の回答はあやふや。討ち入り当日も逃亡したがっていたが、ギリギリになって「自分たちは未来で生きているんだな」と未来に確認すると、ヤル気になって出陣。未来では沢山のブースから各国の歴史上の人物に電話をかけていた…。
 チョンマゲの世界に携帯電話、という絵柄が思い浮かんだ時点で「なんとなく面白そう〜」と満足して思考停止してしまったのではあるまいか。 チョンマゲの世界に携帯電話、という絵柄が思い浮かんだ時点で「なんとなく面白そう〜」と満足して、そこで思考停止してしまったのではあるまいか。
 この作品を助けてるのは中井貴一のコミカルな孤軍奮闘。そして、絵作りもきれいだし、音楽や編集の仕方など、周囲はコレをおもしろくしようと努力されてるし、うまくいってる。だからネット上のレビューでこの映画を「面白い」と言ってるコメントを見ると、まさにだいたいこの「着想」と「雰囲気」と「中井貴一」が評価されてるのが簡単に見つかる。
 しかしお話のほうが設定、ギャグ、ストーリーに、まったく特筆すべき点がない。
 そんなに辛い言い方をしなくても、もともと視聴者の要求レベルが高くない「世にも奇妙…」(当時)なんだし大目に見ても、なのだが、情報戦である討ち入り計画に「携帯電話」という必殺道具が元禄の世に与えられるのだから、忠臣蔵ファンの脳内にはタイトルだけ聞いた時点であれこれと勝手な名場面を思い浮かべてしまう。すなわち携帯電話と出逢い、そして使いこなし始めた赤穂浪士たちの使いよう…。いや逆に、そもそも携帯は吉良側に与えられて、討ち入りの結末に影響があるのかもしれない!?…アンテナは誰が建て、はたしてその目的とは!?…とか、いろいろ想像力をかきたてられワクワクするのだ。 そんなに辛い言い方をしなくても、もともと視聴者の要求レベルが高くない「世にも奇妙…」(当時)なんだし大目に見ても、なのだが、情報戦である討ち入り計画に「携帯電話」という必殺道具が、未来から元禄の世に与えられるのだから、忠臣蔵ファンの脳内にはタイトルだけ聞いた時点であれこれと勝手な名場面を期待してしまう。
 それはたとえば自衛隊が戦国時代にタイムスリップする「戦国自衛隊」や、自衛隊のイージス艦がミッドウェー海戦前にタイムスリップする「ジパング」にも匹敵するワクワクなのである! すなわち浪士たちと携帯電話との出逢い、そして使いこなし始めてからの作戦…。いやいや逆に、携帯は吉良側に与えられて、討ち入りの結末に影響があるのかも!?…アンテナは誰が建て、はたしてその目的とは!?…とか、「忠臣蔵」と「携帯電話」という、超もってこいのコラボにいろいろ想像力をかきたてられワクワクするのだ。
が、実際に見てみると、そうしたアクシデントは一切なく、ただただ中井貴一が、未来の八嶋智人と、'''いつも同じ要件でただ電話してるだけ'''の繰り返し。 それはたとえば自衛隊が戦国時代にタイムスリップする「戦国自衛隊」や、自衛隊のイージス艦がミッドウェー海戦前にタイムスリップする「ジパング」にも匹敵する、大逆転も予想されるワクワクなのである!
 …が、実際に見てみると、そうしたアクシデントは一切なく、ただただチョンマゲの中井貴一が、未来の八嶋智人と、'''いつも同じ要件でただ電話してるだけ'''の繰り返し。  この「行き届かなさ」が'''ほんとう〜にもったいなくって、ガッッカリ'''するのです。タイトルから受ける期待度と中身のガッカリの高低差はAVのストリーミングを失敗したときのそれに匹敵する。するのです。タイトルから受ける期待度と中身のガッカリの高低差はAVのストリーミングを失敗したときのそれに匹敵する。(ま、そのていどなんだけど 笑)
 尺の問題もあっていろいろはしょらなきゃいけない制約はわかるが、それにしてもコレが最良だろうか?そもそもこういう「トワイライトゾーン」的な番組は「お話がまず肝心要」なんじゃないんでしょうか。それもせっかくの「劇場版」というお膳立てなのに。
 そもそも、たった一台だけ未来とつながってるツールを内蔵助ただ一人に持たして一方的に未来人が何度も同じ事を聴くためだけに電話かけてくるんなら、多機能*が自慢の「携帯電話」である必要がまったくないのだ(携帯電話の形状自体にも意味が無い)。ケータイあるあるなネタも、使わずじまい(おかるが根付けをつけるシーンはある)。ぶっちゃけ「忠臣蔵」が題材である必要性も全然なし(皮肉なことにオチがそう言い表しているw)。<small>*もっとも、2000年当時での機能はたかが知れている。もっとも、2000年当時での機能はたかが知れているが。</small>
 あたし個人の意見だが、
 '''きっと脚本家自身が携帯電話で300年前の内蔵助に聞きたいことがまったく無かったきっと脚本家自身が、携帯電話で300年前の内蔵助に聞きたいことが、まったく無かった'''のだろう。
 時代劇やSFにノンケで、ライムスター宇多丸さん言うところの「ベロベロバー的な笑い」<small>(註02)</small>で満足な鑑賞者には、まったく罪の無い作品だと思います。
 

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