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斧定九郎

サイズ変更なし, 2009年4月28日 (火) 21:08
編集の要約なし
江戸時代に初代中村仲蔵(なかむらなかぞう)がこの役を勤めたとき、それまで山賊の扮装だったこの役を白塗り顔、五分月代のヘアスタイル。黒羽二重の単衣(ひとえ)に朱鞘の大小を差し、腕をまくって尻からげの浪人姿にアレンジし、ドキッとする美しさの強烈な悪(ヒール)にしあげて大好評。
 
漫画家のみなもと太郎先生に言わせるとこのキャラが出来上がって以降、「天保水滸伝」の平手造酒(ひらてみき)も、高田馬場の[[堀部安兵衛|安兵衛]]も、「浪人」と言えば定九郎像が原点となったと言います。なるほど。
古典落語「中村仲蔵」では、歌舞伎役者の初代中村仲蔵が、現在にも伝わるこの定九郎像をこしらえるまでの逸話が物語になっていますが、おはなしに出てくる「[[与市兵衛]]を先にやっておいて、あとから濡れた傘を半開きにして一文字に飛んでいき、パッと傘を開いて見得を切る。弁当幕なんでみんなが舞台に集中せず下を向いて弁当を食べてるところへ黒いものがかすめていく(とか、水がかかるとか)ので観客はハッとする」というシーンは、現在の仮名手本忠臣蔵の定九郎の登場シーンからは想像がつきません。かなり違っています。与市兵衛が休憩していると背後の掛け稲から白い腕がぬぅっと出てきて50両を盗むという、実に静かで不気味な(そしてニヒルな)演出なのです。

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