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斧定九郎
,編集の要約なし
お家改易後は強盗に身をやつし、真っ暗闇の山崎街道で殺人強盗をする。被害者は[[与市兵衛]]。
ともかく'''ビジュアルがあまりにも印象的'''なので、人の運命を大きく変える「きっかけ」のキャラとしては、存在感がハンパではないのだ。
江戸時代、中村仲蔵(なかむらなかぞう)がこの役を勤めたとき、それまで山賊の扮装だったこの役を白塗り顔、五分月代のヘアスタイル。黒羽二重の単衣(ひとえ)に朱鞘の大小を差し、腕をまくって尻からげの浪人姿にアレンジし、ドキッとする美しさの強烈な悪(ヒール)にしあげて大好評を博し、以降それがスタンダードとなる。
漫画家のみなもと太郎先生に言わせるとこのキャラが出来上がって以降、「天保水滸伝」の平手造酒(ひらてみき)も、高田馬場の[[堀部安兵衛|安兵衛]]も、「浪人」と言えば定九郎像が原点となったとのこと。なるほど。も、「浪人」と言えば定九郎像が原点となったとのこと。なるほど。(黒沢明の「用心棒」で桑畑三十郎が現れるまで)
さて、おはなしに出てくる「[[与市兵衛]]を先にやっておいて、あとから濡れた傘を半開きにして一文字に飛んでいき、パッと傘を開いて見得を切る。弁当幕なんでみんなが舞台に集中せず下を向いて弁当を食べてるところへ黒いものがかすめていく(とか、水がかかるとか)ので観客はハッとする」というシチュエーションは、現在の仮名手本忠臣蔵の五段目には一切出てこない。
いまスタンダードなのは、与市兵衛が休憩していると背後の掛け稲から白い腕がぬぅっと出てきて50両を盗むという、実に静かで不気味な演出で、これは七代目の団十郎(1791〜1859)が考案したとされ、この「白い手」の演出はあまりに素晴らしいので現在まで継承されているんだそうです。が考案したとされ、この「白い手」の演出はあまりに素晴らしいので現在まで継承されているんだそうです。(与一兵衛と二役の早替わりがキッカケ?)