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最後の忠臣蔵(映画)

1,362 バイト追加, 2021年5月17日 (月) 13:32
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{{Cinema|制作=ワーナーブラザース|公開=2010|内蔵助=片岡仁左衛門|星=5|頃=}}[[画像:Seno-02.jpg|thumb|役者絵:役所広司]]
脱盟者に焦点を当てた討ち入り事件の16年後の後日談。
美しく、丁寧で繊細で、やさしくきびしく、楽しいようでさみしく、でも、きっと幸せ。
実はつっこみどろこがいろいろあるのに、総合点が高いのでまったくオッケーというめずらしい傑作。実はつっこみどころがいろいろあるのに、総合点が高いのでまったくオッケーというめずらしい傑作。
ずっと泣きっぱなしだったので目が炎症っぽくなり、事務所に帰ってきて乾燥してるんで、なんかヒリヒリする。ずっと泣きっぱなしだったので目が炎症っぽくなり、劇場から事務所に帰ってきて乾燥してるんで、なんかヒリヒリする。
== ネタバレ「あそこがよかった」 ==
えっと、たぶん1番泣いたのは、寺坂のねぎらいをうけた瀬尾の体内から「なにか」重たいものがほ〜〜〜っと抜けていき、ほぼ似たタイミングで可音(かね)が「決意」をするシークエンス。初めてこの映画見たとき1番泣いたのは、寺坂のねぎらいをうけた瀬尾の体内から「なにか」重たいものがほ〜〜〜っと抜けていき、鬼になって使命を果さんとしていた孫左の顔が寺坂と血盟の友達の顔に戻るところと、ほぼ似たタイミングで可音(かね)が「決意」をする、連続したシークエンス。
構成がうまいんだよなあ。マゴザと可音の回想をね、お嫁入りの時じゃなく最後に持ってくるでしょ。あれがマゴザの愛なわけですよ。でも1年ほどおいてブルーレイを見たら寺坂が花嫁行列を用意してくれるシーンでオワッとこみ上げてしゃくりあげてしまった。 もう、そんな生理現象を青臭く語りたくなる不思議な感動なのです。  構成もうまいってたってことなのかなあ。マゴザの可音との回想もね、お嫁入りの時じゃなく最後に持ってくるでしょ。あれがマゴザの愛なわけですよ。
そう、この映画にはいろんなひとの「愛」が描かれている、れっきとしたラブストーリーであり、チャンバラではありません。
忠義とか友情とかLOVEとか、いろんな言葉で表される「愛」がいろんなカタチでいろんなひとの中でふくらむ。どの愛も一筋で熱い。しかし作品自体はホッコリしている。忠義とか友情とかLOVEとか、'''いろんな言葉で表される「愛」'''がいろんなカタチでいろんなひとの中でふくらむ。どの愛も一筋ですごく熱いっ。それでいて作品自体はホッコリしている適温。
泣く場所はみんな違うと思います。花嫁行列に旧臣がどんどん加わるところで滂沱する友人もいた。あそこ、テレビ版でも好きなシーンだが、高まりますよねえ。
ちょっと乱暴かもなんで、これは極めてひとりごととして受け取っていただきたいのだが、独りの男が使命を貫いた果てにひとつの若いカップルの幸せの誕生を見て命を終わるというカタチが「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンの人生に似ており、作品を見ながら涙する時は同じ脳波を出してるだろうなとレミゼの「エピローグ」を聴きながら思いましたものです。
さて、本作を見た人がよく、墓場で旧臣の柴俊夫がマゴザに面罵し、暴力を振るうシーンに対して「義盟に加わらなかった男が、どの口で逐電した者を責められりょう」と言うんだけど、私はこう見た。
さて、本作を見た人がよく、墓場で旧臣の柴俊夫がマゴザに面罵し、暴力を振るうシーンに対して「義盟に加わらなかった男が、どの口で逐電した者を責めらりょう」と言うんだけど、私はこう見た。 古い講談本の[[木村岡右衛門]]のエピソードにあるのだが、さっさと城を離れた人と討ち入りメンバーというのは立場が「同じ」ではないようなんであります。のエピソードにあるのだが、さっさと城を離れた人と討ち入りメンバーというのは立場が「同じではない」ようなんであります。
でも、それって講談本を読んだ、あたしの解釈であって、原作の池宮さんや杉田監督がどう考えてあのシーンを作ったかはわかりません。
== つっこみどころ ==
さすが「北の国から」の監督さん、人間を描く腕前は一級品なんだけど、細かいディティールをこだわらないひとなんです。さすが「北の国から」の杉田成道(すぎた しげみち)監督、人間を描く腕前は一級品なんだけど、細かいディティールをこだわらないひとなんです。 討ち入りの時に吉良邸の庭の石橋の欄干が軽くふらふら動いてても特にCGで修正しようとしないし(公開半年ほど前に映画は完成しているのに、である)。
討ち入りの時に吉良邸の庭の石橋の欄干が軽くふらふら動いてても特にCGで修正しようとしないし(公開半年ほど前に映画は完成している。)前述の墓場のシーンには墓石に「文政」とか「昭和」とか思いっきり書いてあってもお構いなし。前述の墓場のシーンに見切れてる墓石に「文政」とか「昭和」とか思いっきり書いてあってもお構いなし(笑)。
あたしもくわしくないけど、もっと細かいことを言うと、「藩」という言葉は当時無いとか、人形浄瑠璃は当時は2人で操作してたとか…。あたしもくわしくないけど、もっと細かいことを言うと、「藩」という言葉は当時無いとか(明治時代)、人形浄瑠璃は当時は2人で操作してたとか…(本作の時代背景の16年後に三人遣いが始まったそうです)。
でも本作は、そういうヲタっぽいことはほんとうに「どうでもいい」の。もっと優先すべき仕事がまっとうされてるから。
良質の映画は七難隠す。
 
 
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画像:Saigo eiga.jpg|thumb|速報を伝えるサンスポ(2009年11月)
画像:Scan-7.jpg|その後の記事(月刊B.L.T2月号(2010年))
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[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|2010]]

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