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東海道四谷怪談
,編集の要約なし
人間の業のものすごさが魅力なのでしょうか。
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'''四谷怪談'''…大映・1959年
大映で[[忠臣蔵(大映)|前年に大石内蔵助を演った長谷川一夫]]が民谷伊右衛門。
長谷川一夫がこんな稀代のヒールをどう演じるのか、はじめは愛妻家っぽい伊右衛門がどう鬼に豹変するのか注目したがこの映画ったら、顔の皮は剥がないし、赤ちゃんはいないし、そもそも伊右衛門夫婦はド貧乏でもない。(ネタバレ>)なによりも伊右衛門の札付きの悪友が真犯人なので、これほど伊右衛門に部のある「四谷怪談」をほかに知らない。
生前の岩の執着心なども描いて、とにかく負の要素を伊右衛門ひとりにしょいこませるのではなく、あちこちに分散させることで長谷川一夫のクリーンさを保っている。
怪談映画に初挑戦の長谷川一夫を見に行ったファンがホッとするための作品で、怪談映画を楽しむのには物足りないかもしれない。エンドマークを見ながら「なんだこりゃ」と思わず口をついて出てしまった。
三隅研次監督作品。塩谷家も浅野家も出てこない忠臣蔵と無関係な作品。
'''四谷怪談 お岩の亡霊'''…大映・1969年
10年前の同社の四谷怪談のありさまにアンチを唱えたいのかと思うばかりにじつに陰惨な「四谷怪談」で、佐藤慶が冷淡な伊右衛門を好演。直助の小林昭二も科学特捜隊とは思えない人非人に仕上がってる。それなら10年前の作品より大納得の「四谷怪談」かというとそうでもない。というのは、悪業がリアルなほどに観ていてフラストレーションになるのだ。歌舞伎のほうにおかしみが散りばめられてるのはそうしたストレスから観客を開放するためだからなのかもしれないと、あらためて南北の才能を感じる。
設定は天明6年とぐっと時代がくだり塩谷家ではなく遠州国相良藩の田沼意次失脚後にお家が没収&減俸されて生まれた浪人たち=伊右衛門や与茂七たちのハナシになっている。ので、忠臣蔵要素はゼロ。それ以外はおおむね原作の設定をなぞっている。
お岩さんが死んでからの立て続けの怪事件もテンポがよく、怯えおののく事件関係者を見るにつけ「ああ、自分は善人でいよう」と心がける気持ちになる。