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薄桜記
,編集の要約なし
途中までズ〜〜ッと丹下'''左膳'''と安兵衛の話だと勘違いしながら見てたときは、[[血槍無双]]みたいな娯楽作品だと思ってたんですが、なんだか「別格」でありました。だってオープニングのテンポとか、娯楽映画的にグイグイ引っ張りこんでくれるんですもの。
そもそも左膳は大岡越前の頃のキャラとされていて、時代もメチャクチャ違うわけでもないし、てっきり「丹下左膳/エピソード1」かと思っちゃったら興奮しちまったものだが、「薄桜記」の作者・五味康祐は連載に先がけて「典膳は赤穂浪士にもっとも恐れられていた刺客だったから、のちに無頼な丹下左膳のモデルにされてしまった」と洒落を言って典膳に実在感を持たせたコメントをしていたそうで、林不忘の「丹下左膳」をモチーフにしていることは間違いないようであります。
この、評判の作品を最初に見ちゃうとこれがスタンダードになってしまうが、ほかの「薄桜記」(テレビドラマ)を見ると本作には相当アレンジが加えられているものと見えます(原作を読んでみなくちゃなあ)。
典膳が破門になった同門の連中とのいざこざがメインで、典膳の妻・千春をめぐっての安さんや典膳のエピソードなどもチラッと混ぜながら、うまいこと110分に整理している。
でまた、いいオトナの千春の雛人形遊びするとか独特。子犬が唐突に挿入されたりと監督(森一生)は可愛い素材を入れるのがうまい。
あるシーンの殺陣がいいので原作を読みたくなったのだが、それは「一体どう表現するとこういうシーンになるのか」と思ってのことだったが、そのシーンはどうも映画のオリジナルだそうで、さすがビジュアルの専門家のなせる技なのだなと感心しました。
雷蔵が光り輝いてるが、この翌年、カツシンが「不知火検校」で新しく生まれかわります。
== 秘剣破り ==
2年後に倒産してしまう大映の上記「薄桜記」のがんばったリメイク。市川雷蔵を病気で失った穴を東映から松方弘樹(丹下典膳)を借りてこないといけないお家事情の大映だが(注釈:ゴメン。借りてきたんじゃなく、このとき移籍してました。)、安兵衛の本郷功次郎の魅力もじゅうぶん光っている。脚本はオリジナル(は10年前)と同じ伊藤大輔。1969年作品。
構成はマンマだが、セリフが足されたり引かれたりしてすごくリーズナブルにわかりやすく生まれ変わっている。
ハナシが見えやすくなったぶん、雷蔵版では彼の存在感で見えにくくなっていた「なんだかつまらない行きがかりでソンばかりしてる、強いのにいいところナシの哀れな丹下さんのハナシ」というストーリーラインが浮き彫りになってしまって見えたのが特徴。
しかし、完成度が非常に良いのに会社の立て直しには貢献できなかったとなると、当時の映画界の客離れはシャレにならない落ち目ぶりだったのだなあと思う。
テレビサイズにいいかんじにコンパクトに整理されており、演出にも小技が利いていて杉サマの貫禄も良く、好感が持てる作品。
どういう事情なのかと思っていたが、チャンネルが違うがこの2年ほど前にやはり忠臣蔵外伝[[腕におぼえあり|「用心棒日月抄」]]をやったときにも竜雷太や佳那晃子を主要な役に置いて共演している。Wikipediaによれば、このころの杉良太郎には共演者に常連がいるそうで、年格好のリアリティよりも一座?全体のありさまで楽しんでもらおうというねらいなのかもです。
== NHK BS時代劇 薄桜記 ==
[[画像:Kasuga.jpg|thumb|役者絵:オードリー春日]]
2012夏にNHK BSプレミアムにて放送の11回の連ドラ。
むかし[[矢頭右衛門七]]を[[忠臣蔵|経験してる]]山本耕史が30代半ばとなって、彼の丹下典膳を完成させていて良かった。