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{{Cinema|制作=テレビ朝日|公開=1989|内蔵助=加山雄三|星=3|頃=}}
昭和64年であり、平成元年であるこの年の新春に放送。 昭和64年であり、平成元年であるこの年の新春に放送。
浅野物産社長・浅野長矩が謎の死を遂げ、倒産。重役・大石は会社再興と、自殺で処理された社長の死の真相究明に立ち上がる。 浅野物産社長・浅野長矩が謎の死を遂げ、倒産。重役・大石は会社再興と、自殺で処理された社長の死の真相究明に立ち上がる。
原案の葉村彰子は、森繁久彌ドラマと関連が深いプロデューサー・逸見稔が中心となって構成していた「水戸黄門」なんかで見かける創作集団の共同ペンネーム。 原案の葉村彰子は、森繁久彌ドラマと関連が深いプロデューサー・逸見稔が中心となって構成していた「水戸黄門」なんかで見かける創作集団の共同ペンネーム。
制作のオフィス・ヘンミはこの逸見稔の会社。本作で 制作のオフィス・ヘンミはこの逸見稔の会社。本作で[[大石内蔵助|大石]]を演っている加山雄三のディナーショーやドラマを手がけていたとか(出典:Wikipedia)。
同氏制作&同局のヒット作「だいこんの花」でおなじみの森繁&竹脇無我コンビ(リアルに仲が良さそう)が、大石を影で助ける 同氏制作&同局のヒット作「だいこんの花」でおなじみの森繁&竹脇無我コンビ(リアルに仲が良さそう)が、大石を影で助ける[[山鹿素行|山鹿]]弁護士&[[脇坂淡路守|脇坂]]弁護士という役で、良いキーパーソンで出ている。<small>(註01)</small>
浅野社長の自殺に社員たちが不信を感じるところからミステリ仕立ての展開が生まれ、暴力団も絡む政治献金の話になっており、その展開とスケールが吉良の失脚への爽快感とつながっている。 浅野社長の自殺に社員たちが不信を感じるところからミステリ仕立ての展開が生まれ、暴力団も絡む政治献金の話になっており、その展開とスケールが吉良の失脚への爽快感とつながっている。
 [[通し狂言 仮名手本忠臣蔵|仮名手本忠臣蔵]]を忠実になぞることに心血を注いだ、株主総会で吉良をやり込める、東宝映画の「サラリーマン忠臣蔵」と同タイトルでありながら、こちらはよりドラマチックな仕上がりが期待できるプロットであるにもかかわらず、もうひとつ惜しいのは、演出(というか撮り方?)がじゃっかん平坦で、脚本の妙がビジュアル的な盛り上がりに活かされず、また、怨敵・吉良を演じる室田日出男(ライバル会社・葵商事の専務)がボスキャラにはちょっと物足りないキャスティングとなっている(すみません)。
寺坂吉右衛門でさえ松山英太郎(好演!)なんだから、(演技は申し分ない室田さんだが)もうちょっと誰かいなかったものか。東映系なら若山富三郎とか金子信雄とか。加山雄三=若大将のライバル田中邦衛…じゃ喜劇になっちゃうか。 寺坂吉右衛門でさえ松山英太郎(好演!)なんだから、(演技は申し分ない室田さんだが)もうちょっと誰かいなかったものか。東映系なら若山富三郎とか金子信雄とか。加山雄三=若大将のライバル田中邦衛…じゃ喜劇になっちゃうか。
とはいえ、全般的には同年公開の「 とはいえ、全般的には同年公開の「[[12時間超ワイドドラマ 大忠臣蔵]]」よりも、この役はこの役者が良いだろうという配役が興に入ってて、見ていて心地が良い。
オリジナルの忠臣蔵のキャラクターを上手く遊べてもいる。 オリジナルの忠臣蔵のキャラクターを上手く遊べてもいる。
最初、会社の話の割には女子社員が皆無なことを始めとする「女子不在」に違和感をおぼえたが、コレもちゃんと話が進むにつれて、会社倒産後にたくましく夫たちを支える良い役回りで女優たちが登場し活躍する。森田健作演じる 最初、会社の話の割には女子社員が皆無なことを始めとする「女子不在」に違和感をおぼえたが、コレもちゃんと話が進むにつれて、会社倒産後にたくましく夫たちを支える良い役回りで女優たちが登場し活躍する。森田健作演じる[[堀部安兵衛|堀部安夫]]の妻役を、当時必殺シリーズでお馴染みの鮎川いずみがチャキチャキに演じ、安夫が再就職する工務店の社長に大山のぶ代(当時のドラえもん)が当てられたり、「テレビ朝日」を遊んでいる。
 [[岡野金右衛門]]の絵図面取りみたいなエピソードでは、[[お艶]]のパートにのりピー(当時バズり中のアイドル)が当てられていたのも高まった。
主演の加山雄三は、借金返済で苦労していた'70〜80年代のしかめっ面のイメージと、のちの「若大将のゆうゆう散歩」で見せるようなほがらかな笑顔の、強弱のある両面を、羊頭狗肉の[[大石内蔵助]]役に反映している。クルーズ船のシーンでは役を忘れてるかにも見えるやわらかい表情を見せるが、どうやら船体のデザインから察するに、当時の加山の愛船・光進丸をロケに使っている<small>(註02)</small>。 画面をよく見て看板や書類に目を凝らしたり、会話をちゃんと聴いていないと、人物の関係性がよくわからなくなることがあるという、当時っぽい不親切さ=わかりにくさもあるが、忠臣蔵劇が頭に入ってる人ならおおむねたのしめるはず。
現代の話への忠臣蔵劇のなぞらえ方に無理がなく、制作者の愛を感じる、約2時間半。 主演の加山雄三は、借金返済で苦労していた'70〜80年代のしかめっ面のイメージと、のちの「若大将のゆうゆう散歩」で見せるようなほがらかな笑顔の、強弱のある両面を、羊頭狗肉の[[大石内蔵助]]役に反映している。クルーズ船のシーンでは役を忘れてるかにも見えるやわらかい表情を見せるが、どうやら船体のデザインから察するに、当時の加山の愛船・光進丸をロケに使っている<small>(註02)</small>。   現代の話への忠臣蔵劇のなぞらえ方に無理がなく、制作者の愛を感じる、約2時間半。

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