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さて、吉良邸のオトナリさんなんか主人公にしてどう話を膨らませるのかと思ったが、主人公の土屋主税を演じる長谷川一夫(この映画の当時は林 長二郎)は四十七士の杉野十平次と二役やってて、話はほとんど四十七士の臥薪嘗胆にシフトする。
前編、落花篇終わり。ここまでで、タイトルになってる土屋さんは吉良さんちから引越の挨拶をもらっただけ。あくまで杉野のストーリー。
なんで「よたかそばの当たり屋」「俵星玄蕃」というエピソードがある杉野をわざわざこのスピンオフに引っ張りだして、そんなにおもしろくもないオリジナルエピソードをしつらえて飲んだくれにえがいてるのか、なんの魂胆があるのかさっぱりわからないまま後編「雪解篇」
後編はじゃっかん土屋さんにちゃんとウエイトがかかってて、「月、雪、花か」と外を見てると塀の向こうから槍先がニュッと出てきて、となりで討ち入りが始まる。