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吉田沢右衛門
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大阪の歌舞伎役者、袖先三輪野(そでさき みわの)という女形が江戸下向の際、道中物騒だからと武士のコスプレで大井川にさしかかる。そういう歌舞伎役者が通りかかるという情報を得ていた川人足がご祝儀欲しさにたかろうとするが袖先は「武士の風体の役者があとから参るぞ」ととっさのでたらめで切り抜け、間の悪いことに、そこに密命を受けて下向中の吉田沢右衛門が通りかかる。
彼女の取り計らいで喧嘩にはならないが詫び状文を書くはめになる。沢右衛門は酒手として5両も置いていく。「お前たちあたしに恥をかかせやがって!もしこのお武家様が本物だったら片っ端から首を叩ッ斬るからそのつもりでおいで!」