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大忠臣蔵

サイズ変更なし, 2009年7月5日 (日) 17:32
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[[画像:Kanpei_s.jpg|thumb|役者絵:高田 浩吉]]
この作品は歌舞伎「[[通し狂言 仮名手本忠臣蔵|仮名手本忠臣蔵]]」を土台に映像化している珍しい作品。いわば、歌舞伎の現代語訳版。意外にそういう映画は見る機会がございません。」を土台に映像化している珍しい作品。いわば、歌舞伎の現代語訳版。意外にそういう映画は見る機会がございません。だから[[堀部安兵衛|安兵衛]]とか[[赤埴源蔵|源蔵]]とか一切出てこない。
知る限りでは長裃姿で刃傷に及ぶのはこの映画と歌舞伎の興行が本業の松竹ならではの作品。(41年の「[[忠臣蔵松の廊下元禄忠臣蔵 前篇・後篇|ドリフ大爆笑元禄忠臣蔵]]しか見たことが無い。あ、あと[[忠臣蔵ー花に散り雪に散りー|宝塚]]もそうでした。」も新歌舞伎が元で松竹が製作。)
ほとんど知らない役者さんだが意外におもしろい。ほとんど知らない役者さんだが意外におもしろい。とにかくすごく丁寧でくそまじめ。
松竹が歌舞伎の興行が本業だからならではの作品。(41年の「[[元禄忠臣蔵 前篇・後篇|元禄忠臣蔵]]」も新歌舞伎が元で松竹が製作。)だから「おかるかんぺい」のエピソードがものすごくたっぷりしている。
多少セリフをかんでもオンエアになっております。映画は松の廊下事件から始まる。歌舞伎のかたちを画にしようとしてるので、刃傷は長裃姿で及ぶ。そういうスタイルは知る限りではこの映画と[[忠臣蔵松の廊下|ドリフ大爆笑]]しか見たことが無い。(あ、あと[[忠臣蔵ー花に散り雪に散りー|宝塚]]もそうでした。)
ラストに映画公開当時の泉岳寺の風景が添えられている。桃井若狭助も出てくるし、内蔵助がお肉通しの九寸五分(刀)を口にくわえたり、ちらちら仮名手本的なエッセンスがある中で、'''「おかるかんぺい」のエピソードがものすごくたっぷり'''しているのがこの映画の一番の見どころ。  映画版仮名手本と言っても映画的な尺にするために大幅なアレンジが加えられているものの、彼らにまつわるエピソード(五段目〜七段目にあたる)はいろんな細かいところで工夫していて、全キャラが赤穂事件の実名になってるにもかかわらず、勘平が思いを告げる相手は[[神崎与五郎]]ではなく、歌舞伎キャラにアレンジされた千崎弥五郎という名前だったり、[[斧定九郎|定九郎]]のシーンは映画用にさっぱり整理されてるが、定九郎が刀を鞘におさめるときは歌舞伎の演出通りだったりと芸が細かい。ちなみにこの定九郎はもうちょっと若くて妖艶な男優がよかったかな〜。ぶっちゃけ勘平の高田浩吉もちょっとおっさんなんだよなあ。 一力茶屋の場面のみ、BGMに歌舞伎と同じ義太夫が流れる。 歌舞伎は舞台の関係で便宜上「二階」としてあるお軽のいる場所がわりと低い中二階的なセットだが、これが映画でも二階を再現せず、中二階の体裁のままになってる。 で、もっともエロティックなはずの、ハシゴでお軽がこわごわ降りてきて着物がはだけて内蔵助がエロギャグを飛ばし、じゃらじゃらとじゃらつくシーンがスルーされて、降りる間は、あろうことか縁の下の[[斧九太夫]]のアップになって、いつの間にか「おおこわ」と下に来ちゃってる。これは〜、どうでしょう。高千穂ひずるさんのはだけるおみ脚が見たかったなあ!映画だからこそ由良之助の目線がビジュアル化できるのに!やってほしかったなあ!こういうところが「カタブツ」な本作の特徴であります。減点。 舞台ではおかると兄の寺岡平右衛門(この映画では寺坂吉右衛門と混ざった名前で寺坂平右衛門となっている)のシーンがホロリとさせられるが、この映画ではそのあと内蔵助が斧九太夫を縁の下から引っ張り出して悔やむシーンにグッと来る。歌舞伎と比較すると、こうしたメディアの効果の違いも楽しめます。  八段目にあたる小浪と戸無瀬(山田五十鈴)もすごく良かった。この映画、女優陣が素敵で、女形でおなじみの女三人のシークエンスを'''本女がやる'''という、これは漫画原作が実写になるくらいワクワクいたしまして、歌舞伎は後半がいささか「長いな」とかんじるので、整理された本作のバージョンは好き。こういうのが映画化の意味があるという感じでございまして、んで、あらためて一力茶屋のお色気の削除が悔やまれる。  討ち入りは歌舞伎ほど華麗な立ち回りは無い。[[清水一学|清水一角]]が戦ってるときに、背景に見切れている邸内でなにかがショートしたような何度か青く光るのは、なんの事故でござろうか。かきわりの赤穂城のパースが狂ってたり、セリフ噛んでてもオン・エアになってたり、この映画には妙なゆるさがある(笑)。この一角、敵にしては話せるキャラなのだが、とにかくなかなか死なないのがちょっと可笑しい。  講談的なエッセンスの[[矢頭右衛門七]](少年時代の当代・松本幸四郎)や[[垣見五郎兵衛|大石東下り]](場面が関所で、歌舞伎「勧進帳」っぽい)。南部坂のシークエンスもある。  ラストに両国橋やパレードが無く、仮名手本がベースなのに映画公開当時の泉岳寺の風景が添えられ、史実の赤穂事件の意義をナレーションで締めくくっている。
DVDには特典に歌川国貞の歌舞伎の浮世絵が入ってる。

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