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峠の群像

94 バイト追加, 2010年6月11日 (金) 00:17
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この「峠の群像」は登場人物がひじょうに人間くさく描かれており、それらしいエピソードや人物描写で物語を構成することにより、どんな人だって正しいときや間違ってるときはあらぁな。というスタンスをつらぬきながら「とりたてて立派なわけではない」ヒトたちが討ち入りという目標に向かってどんどんまとまっていく忠臣蔵を完成させた。まさに画期的と言っていい傑作。
 連絡の行き違いから畳替え事件が起こり、そのことで[[吉良上野介|吉良]]が[[柳沢吉保|柳沢]]に怒られるであるとか、浅野と吉良の重たい関係も会社でありそうな成り行きだったり、ラストのほうでもふつうに怒られるであるとか、[[上杉綱憲浅野内匠頭|内匠頭]]を制止するの同僚で年下の[[色部又四郎伊達左京亮|伊達君]]が率先して討ち入りされてる吉良家に出かけようとしたり。いろいろと「そういうこともあるかもしれん」と見ていて妙に納得するような筋立てがおもしろい。のほうが要領がよく差がついてしまうであるとか、「言い方」の問題で浅野と吉良の関係が重たくなっていくであるとか、おなじみのエピソードが実際生きてて会社でありそうな成り行きでアレンジされているのがたいへんおもしろく、序章でハートを捕まれてあとはもうグイグイ引き込まれる。 
また、「倒産後も地元の塩田の経営存続はできますか?」というテーマが大きく取り上げられている点に他作品にはないオリジナリティがあり(原作者が経済評論家だからか)、討ち入りとのコントラストが興味深い。倒産した残党が新しい会社に拾ってもらうわけだが、一方で別の残党は殺人を計画してるのだから穏やかではない。間に入って奔走する架空の人物・赤穂藩士の石野七郎次(マツケン)がいいアクセントになっている。

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