磯田源右衛門

磯田源右衛門【いそだ　げんえもん】…亡君の遺子を育て上げた苦節まっとうの浪士。

浅野家の女中・玉江が浅野内匠頭の子を宿し、側室に迎えいれられようとしていたが、内匠頭が参勤で江戸に行かなければならず、内蔵助にあとをたのんででかけた。

しかし松乃廊下事件が起こってしまう。

赤穂に残されていた玉江は産後の肥立ちが悪く他界するが、女児・梅が残る。

内蔵助は若いころから心やすい磯田源右衛門に梅を託し、討ち入りに出かける。

磯田は梅を１７まで育てたところで、大阪の大町人・鴻池平右衛門に嫁入りさせ（逗留に行った有馬の温泉で知り合った友人）、婚礼の席ですべてを打ち明けたあとで自宅で心静かに切腹して果てる。

このエピソードは「最後の忠臣蔵」そっくりで、きっとどこかヒントになってると思います。

しかしなんとも、内匠頭に姫君がいるとは大胆な！

講談「磯田源右衛門」には、のちの事件の時に大砲を売っちゃおうとした萩原兄弟がいじめっ子キャラで磯田の若い時代からちょいちょい顔を出して彩りを添えている。

萩原兄弟の上のほう、萩原兵左衛門が若いころ、力尽くでものにしようとしたのが赤穂きっての評判むすめ・材木や長兵衛のむすめ、むらで、彼女がレイプされかけてるのを磯田が助けたのが縁で夫婦となり、その後、亡君の遺命をふたりしてまっとうする。

むらは夫の死後、尼さんになって菩提を弔った。