誉れの陣太鼓
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作品概要 | |
制作会社 | 東映 |
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公開年度 | 1957年 |
内蔵助役 | −−− |
評価 |
完全なる浪曲(講談)ファン向けの一本。
「浪曲(講談)」という曖昧な書き方は本作が、あたしが講談本でしか知らない神崎与五郎の少年期のハナシと、「矢作の鎌腹」(拙サイト「神崎」の項における<講談版>のほう)が劇中浪曲によってうなりあげられるから。
本来、各話にある「目の不自由な祖母」「兄」という身内が構成上、「老いた両親」というふうに統一されて一作品にまとめられている。
主人公である与五郎を演じる尾上鯉之助もさることながら、そのお父さん(矢作)役の百姓=進藤英太郎の、やさしく弱々しいお百姓さん〜大望ある息子のために人殺しに豹変するお百姓さん、というほかの出演作での彼を上回る演技のバリエーションが圧倒的な見せ場を作っている。
講談本で読むと殺伐としたイメージで伝わってくる「死にまつわるあれこれ」は、進藤の演技によって説得力を持ち、哀れを誘いグッと来ます。
百姓・矢作がそれは無様に鎌で切腹するところに物語上の大きな山場&終焉を見るので、小1時間の上映時間しか無いものの「堪忍袋」エピソードがなくてもじゅうぶんお腹いっぱい。
鏡小五郎名義で里見浩太朗がイジワルな村の総代のドラ息子で出演しているが、そういえば「赤穂浪士」でも吉良の息子役だったなあ。
譽れの陣太鼓