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阿呆浪士
,編集の要約なし
{{Cinema|制作=劇団ラッパ屋|公開=1994|内蔵助=宇納 佑|星=3|頃=}}
[[画像:Ahorousi.jpg|thumb|2020年版のチラシ]]
この年にリリースされた主な忠臣蔵モノは、TBSのテレビドラマを除いて「[[四十七人の刺客]]」「[[忠臣蔵外伝 四谷怪談]]」と、だいたい変化球系なのだが、そんな中で舞台版を代表して、当時じゃっかん35歳の劇団主宰・鈴木聡氏のこのしごとは(僭越ながら)一等賞をさし上げて良いのではないかという出来栄え。
これはもう本来ならば忠臣蔵ファンのあたしからすればご法度(正規メンバーではない忠臣蔵)なのであり、あらすじを聴いただけなら決して見に行きたくないのだが(そもそもタイトルからバカにしたイメージを受ける)、フタを開けてみるとひじょうに良く出来たコメディで、「これもアリやな」と思いながら、笑って、泣ける。
元気なおバカ町人・魚屋の八(はち)が、ひょんなことで赤穂浪士の血判状を手に入れることになった。八がソレを利用して私欲のために赤穂浪士の名を語ったために、最終的に討ち入りにまで行くハメになる。
あと、主人公・八を演じるおかやまはじめ氏<small>(註01)</small>が、いいかんじにピュアで無学なヌケサク(阿呆)を演じており、なんというか映画「拝啓天皇陛下様」的な、対位を生む。が、いいかんじにピュアで無学なヌケサク(阿呆)を演じており、なんというか映画「拝啓天皇陛下様」的な、悲喜劇を生む。
役人と町民とメディアという、いつの時代も相容れないような各畑が、実は赤穂事件でも大きな要素だともあたしは考えておりまして、本作はそうした裏テーマの根幹をじょうずに扱ってるから、ファン的にはご法度を破られてても、違和感が無く楽しめる。
武春さんの浪曲風な台詞については当人にアレンジをまかせたとは言うものの、オリジナルの台詞はほぼほぼ踏襲されており(とはいえ、説明の台詞に時代を感じさせる「浅野内匠頭がプッツンして」など、居心地の悪くなるようなワードが一掃された。)、全体のエンターテインメント度がグッと上がっている。
初演版は円形劇場の舞台の形状を意識した内容だったろうにもかかわらず、規模が小さくなったシアタートップスの舞台もうまく使われており(つか、改造したらしい<要確認)、さらに、気のせいかもしれないが、4年のうちに観客のギャグセンもあがってか、笑うべきところで笑っている印象。
…ということで観てみたらこれが良かった。
当然かもだが、登場人物に対する注目の仕方や、聞こえてくる台詞などが少し、変わってくるから面白い。
本来なら、赤穂浪士の名を語って初めて注目を浴びるスケベでダメな阿呆な町人役は、ジャニーズのイケメンでは説得力がないはずなのだが、ここは戸塚さんの存在感でクリアしている。