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討ち入りのための武器調達をした豪商、[[天野屋利兵衛|天河屋(天川屋)義平]]のはなし。
前後があってこそ引き立つ段だから、単独じゃ客入りが見込めないんで上演回数が少ないのかと思ってたが、ものの本で加賀山直三氏が「この一段はつまらない。愚作」と一蹴。くわえて「季刊雑誌 歌舞伎」では、幕末以降、徒党を組むとか武器の密造というネタ自体が上演の遠慮を産んだんじゃないかと坂東三津五郎(9th)は言っている。
義平の侠気はかっこいいし、ハッピーエンディングだし個人的には大好きだが、たしかに九段目までの貫禄の由良助が、「みんながそんなに言うなら、気持ちを試してみるかぁ」というコンセプトでつづら(長持ち)の中に潜んで義平にドッキリをしかけるという趣向はなかなか「浮いてる」かも。人を試して結局謝るという、かっこわるいかんじだし。七段目の孔明的なキャラがブレる。ちなみに国立劇場開場20周年ではつづらから出てこないで後ろの戸を開けて出てきた。
令和5年3月大歌舞伎のときは、単独で十段目のみがかかった。中村芝翫(8th)が天川屋で、幸四郎(10th)が由良之助だったが、長持ちから出てくるバージョンだったにも関わらず、有り様や間合い、タイミングなど細心の注意を払って演出を心がけているように見え、滑稽にはなっていなかった。
そのほかにも離縁した天河屋夫婦の復縁まで世話をするなど、討ち入り直前にしては手の込んだ「よけいなこと」をしすぎで(おかげで上演時間が長い)、たしかに異色作。