「元禄快挙余譚土屋主税 落花篇・雪解篇」の版間の差分
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なんか、細部にも気を使ってるし、すごくモダンな演出、小道具、カメラワーク、音楽。そして衣装。 | なんか、細部にも気を使ってるし、すごくモダンな演出、小道具、カメラワーク、音楽。そして衣装。 |
2008年9月14日 (日) 05:02時点における版
作品概要 | |
制作会社 | 松竹 |
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公開年度 | 1937年 |
内蔵助役 | 嵐徳三郎 |
評価 | ★★ |
主人公は、吉良邸のおとなりさんの土屋さん。
なんか、細部にも気を使ってるし、すごくモダンな演出、小道具、カメラワーク、音楽。そして衣装。
戦前の忠臣蔵って、みんな衣装の柄がかわいくてよろしい。
さて、吉良邸のオトナリさんなんか主人公にしてどう話を膨らませるのかと思ったが、主人公の土屋主税を演じる長谷川一夫(この映画の当時は林 長二郎)は四十七士の杉野十平次と二役やってて、話はほとんど四十七士の臥薪嘗胆にシフトする。
杉野はナニを思ってか品川あたりで放蕩三昧の毎日。寄り合いにも出てこないもんだから仲間はいらつくし、母親は恥に思って自害しちゃう。
もともとある彼のエピソード「よたかそばの当たり屋」「俵星玄蕃」は出てこない。
前編、落花篇終わり。ここまでで、タイトルになってる土屋さんは吉良さんちから引越の挨拶をもらっただけ。あくまで杉野のストーリー。
なんでおなじみのエピソードがある杉野をわざわざこのスピンオフに引っ張りだして、そんなにおもしろくもない新作オリジナル話をしつらえて飲んだくれに描いてるのか、なんの魂胆があるのかさっぱりわからないまま後編「雪解篇」。
ひょんなことから杉野は絵図面を手に入れる。すると唐突にやる気になる杉野。吉良家の偵察に単身乗り込むがケガをするので隣家に逃げ込むと土屋さんち。手当てしてもらう。何事も無かったかのように下向してる内蔵助に偵察の守備を報告。
観客が、なんで杉野が急にやる気になったのかイマイチよくわからないまま討ち入りの日は来る。
後編はじゃっかん土屋さんにちゃんとウエイトがかかってて、「月、雪、花か」と外を見てると塀の向こうから槍先がニュッと出てきて、となりで討ち入りが始まる。
火事ではござらぬか、と客の宝井其角が心配したり、太鼓の音を聞いていろいろ憶測していると挨拶が聴こえてくる。しばらくすると呼び子が鳴って勝ちどきが聴こえる。塀のこっち側って斬新だが、やりようによってはもっと膨らませる気がした。
今の映画作りなら、心理描写だけで淡々と「音だけの討ち入り」となにもしない塀のこっち側の主人公をもっとおもしろく映像化できる気がする。
結局、なんで母親の死に目にも会わず、杉野がかたくなに飲んだくれてたのか不明のままエンドマーク。