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ダブルエッジの忠臣蔵!

429 バイト追加, 2022年12月26日 (月) 12:45
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もともと演劇ユニットとしてスタートした芸人のダブルエッジさんが2005〜6年頃に書いたというふたり芝居。(もりいは2022年11月に鑑賞)もともと演劇ユニットとしてスタートした芸人のダブルエッジさんが2005〜6年頃に書いたというふたり芝居。芸人さんの芝居だがおおむねシリアス。(もりいは2022年11月に鑑賞)
行く前に「ふたり芝居」って聴いてたんで、てっきり、なんかのキャラ二人が延々と問答でもするのかなと思ったら、討ち入りから回想するかたちで大評定までさかのぼり、[[大石内蔵助]]の話し相手の役者さんが元藩士や遊女、[[垣見五郎兵衛]]や[[吉良上野介|吉良]]になって対応する内容。になって対応する内容(意外に早変わりがすごい)。
お客さんに四十七士の名前の書いた首にかける布(たすきと呼んでいた)が配られ、たびたびこちらを参加させてくれる楽しい仕掛け。(成城学園前のアトリエ第Q藝術でキャパ20人くらい相手に)
同時に「(人は)死にたいわけがない」を何度も強調すればするほど、この世界観での元・家来家臣たちが、なぜ討ち入りをしようと血気に逸っているのか、その理由もよくわからない。
その、逃げ腰の内蔵助に、上演中、延々と吉良の声が「本心ではないのだろう?命が惜しいんだろう?」と、くりかえし投げかけ続けるもんだから、もう後半になると辛気臭くてしんどくなってくる。
 
(付言:今にして思えば、おそらく脚本上は、命は惜しいけどそこを見て見ぬ振りをしなくちゃならない立場や見栄など、人間の弱い部分が「台詞で」補完されていたんじゃなかったかと思うのだが、忠臣蔵からかけ離れたそうした価値観や死生観は言葉だけで「説明」されても、あたしには入ってこなかった。)
その、逃げ腰の内蔵助に、上演中、延々と吉良の声が「本心ではないのだろう?命が惜しいんだろう?」と、くりかえし投げかけ続けるもんだから、もう後半になると辛気臭くてしんどくなってくる。
何でもこのハナシは、これをお書きになったダブルエッジの高山なおきさんが「割と人生行き詰まって」いたときに書いたそうで、それを聴くと、ンじゃしょうがねえのかな。となる。
要は、この1年10ヶ月の間、大石の本心や後悔について責めてきた吉良の声(この芝居は序盤から、大石に「謎の声」として吉良の声がナレーションでかぶる)に対し、大石のほうが吉良の本心を見抜くのが逆転の鍵になるのだが(違ってたらすいません)、大石が迷わず堂々と吉良を手に掛けるような一面が、これまで布石として劇中に無かったためもあってか(ずっとウジウジしてた)、唐突とも見える発奮に説得力を感じられなかったのかも。([[携帯忠臣蔵〜世にも奇妙な物語 映画の特別編〜|「携帯忠臣蔵」]]で中井貴一の大石がラストで急にやる気になる呼吸に似ている)
 
お互いの気持を責め合うという「小さなこぜりあい」が忠臣蔵のスケールにあってないのかもしれない。視座が武士ではなく、芸術家。
笑いを愛する芸人さんなんだから、シリアス抜きで笑いに振り切ってしまっても良かったんじゃないのかなあ…。「やりたくないのにやんなくちゃいけない」的な現代的な視座を忠臣蔵のスケールに合わせるなら、シリアスにしないで、笑いに振り切ってしまっても良かったんじゃないのかなあ…。

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