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大忠臣蔵(NET)

2,784 バイト追加, 2024年2月2日 (金)
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映画界やテレビ界、演劇の世界から人気者を集め、おそらく史上最高の贅沢な顔合わせではないだろうか。たとえば東映「[[赤穂浪士]]」の萬屋錦之助の[[脇坂淡路守]]と東宝「[[忠臣蔵 花の巻雪の巻]]」の市川中車の[[吉良上野介]]が(それぞれその役で)同じ画面で拝めるんだヨお立ち会い。
それはたとえばミュージカル「RENT」のアンソニーラップが、出演作の「スター・トレック・ディスカバリー」のメンバーと一緒に(艦隊のユニフォームのまま)「Seasons of Love」を熱唱するような、そんなゴキゲンなのである。(よけいわかりにくいか…)Love」を熱唱するような、そんなゴキゲンなのである。(ちょっと違うか…)
世代的にうれしかったのは、武器調達のかどで拷問にあってる[[天野屋利兵衛]]を釈放する粋(イキ)な大阪のお奉行さんを中村梅之助が特出で演じてるとこ。彼は当時江戸町奉行「遠山の金さん捕物帳」放送中で大人気だったのだ!このサービスには当時のお茶の間はさぞ喜んだことでしょう。(さらに付け加えると天野屋を演じた[[元禄忠臣蔵 前篇・後篇|前進座]]のスター・中村翫右衛門は梅之助のお父さん。…まさかと思って天野屋と一緒に石を抱かされる子役を確認したが中村梅雀ではないようだw)
当時「大江戸捜査網」(三船プロ系。他局)でおきゃんなスリを演じてた岡田可愛が、似たようなパーソナルでカツシンの[[俵星玄蕃]]の回に出てるのも、「[[あゝ忠臣蔵]]」でも駕籠人足を演ってた小松方正を丑五郎で登板させてるのも、居酒屋主人といえば木田三千雄とか、酔っぱらいなら三井弘次といったように、お茶の間の」でも駕籠人足を演ってた小松方正を丑五郎で登板させてるのも、居酒屋主人といえば木田三千雄とか、酔っぱらいなら三井弘次といったように、これでもかというほどふんだんに提供される、当時のお茶の間には"おなじみ"または"なんか見たことある"を意識したシェアワールド的なキャスティングがいちいちうれしい。役者を配したシェアワールド的なキャスティングがいちいちうれしい。
10話に1回くらいのペースで当時人気のお笑い芸人(Wけんじ。ケーシー高峰。島田洋之介・今喜多代コンビなど)が登場するのもニクい。10話に1回くらいのペースで当時人気のお笑い芸人(Wけんじ。ケーシー高峰。牧伸二。玉川スミ。島田洋之介・今喜多代コンビなど)が登場するのも気が効いた工夫で、捨て回みたいなとき、ほかのドラマだと妙な間延びがあって興ざめするものだが、芸人のおふざけで余白を埋めるというサービスはなんとも心憎い。
ともかく、「楽しませよう」という心意気がこうまでキャスティングに活かされてる作品は珍しいと思う。(いや、無い!)
== 気がかり 欠点 ==
気がかりだったのは、調子に乗っていろんな人たちを浪士として豪華にキャスティングしたのはいいが、肝心な討ち入りの時にこのそうそうたる顔ぶれが一堂に会せるのか?ってコト。そしたら案の定、伴淳三郎はじめフランキー堺など何人もの大事なメンバーが気がかりだったのは、調子に乗っていろんな人たちを浪士として豪華にキャスティングしたのはいいが、肝心な討ち入りの時にこのそうそうたる顔ぶれが一堂に会せるのか?ってコト。そしたら案の定、[[小野寺十内|伴淳三郎]]、[[堀部弥兵衛|有島一郎]]をはじめ[[赤垣源蔵|フランキー堺]]、[[岡野金右衛門|中村嘉葎雄]]、など何人もの大事なメンバーがドッサリと'''討ち入りのときに不在'''!しょぼーん。制作費10億円でも全員集合は無理だったかぁ〜。(ていうか、ラスト何回かはいなかったことのようにかき消える)!しょぼーん。制作費10億円でも全員集合は無理だったかぁ〜。
そんなわけで、あれだけ「おなじみエピソードは全部盛り込む」をコンセプトにしていたわりに、肝心な「勢揃い」「討ち入り」に、じゃっかんの肩透かし感が漂う。(そこに居ない有島一郎の、代役の背中ばかりを写して、アフレコで有島一郎の声だけかぶせるというシーンの苦しいことと言ったら…)
加筆:予算もさることながら、スケジュールも合わなかったのではと思う。ただ、討ち入り回はそうした穴を埋めるべく、赤穂浪士以外の活躍をクローズアップしてがんばっている。吉良側は大友柳太朗や芦田伸介などメンツがズラリと揃っており、かっこいいし、ほかにもこれまで影なり日向なり活躍していたいろんな登場人物が集合してクライマックスを盛り上げ、吉良邸内外で立ち回りを見せてくれる。(さながら仮面ライダーの最終回の怪人大集合に似て…ああ、そういえばあのドラマも途中から藤岡弘不在だったなあ!ちなみに藤岡ライダーも'71放送作品)
あらためて作品を見てみると、石坂浩二の三平と山本陽子のおかるで、前後編の2回にわたって山崎街道の悲恋ドラマが展開されるのだが、よく見ると一緒にいるはずの三船敏郎が、石坂と山本両所と同フレームに収まってるシーンがひとつもない。編集で上手に見かけの辻褄を合わせている。もそっと遡ると、そもそも石坂の三平は、松乃大廊下事件のあと、早駕籠に乗ってなきゃいけないのに、そのシーンでは後ろ姿ばかりでセリフの無い代役さんで間に合わせている。このことは、予算もさることながら、スケジュール調整も難しかったのではと思う。
人気スター勢揃いという高いこころざしも、スケジュールの都合という難題には、すでに序章から振り回されていたようである。あらためて作品を見てみると、石坂浩二の三平と山本陽子のおかる<small>(※註01)</small>で、前後編の2回にわたって山崎街道の悲恋ドラマが展開されるのだが、よく見ると一緒にいるはずの三船敏郎が、石坂と山本両所と同フレームに収まってるシーンがひとつもない。編集で上手に見かけの辻褄を合わせている。もそっと遡ると、そもそも石坂の三平は、松乃大廊下事件のあと、早駕籠に乗ってなきゃいけないのに、そのシーンでは後ろ姿ばかりでセリフの無い代役さんで間に合わせている。
附言:スケジュールと言えば、不幸にも最終回前にお亡くなりになってるメインキャストがいるのも珍しい。(<あんまり有名なエピソードなんで記載を避けていたが、スケジュールに触れるなら、人生のスケジュールをしくじった市川中車(8th)丈に触れないわけにはいけないと加筆した由。)人気スター勢揃いという高いこころざしも、スケジュールの都合という難題には、すでに序章から振り回されていたようである。この番組の自慢がそのまま自分の首を絞めるようなことになっている。(憶測だが、柳生一党の親玉・柳生俊方の仲谷昇さんは名優だが、彼の登場&活躍する#39「暁の江戸潜入」は、ホントはもっとビッグネームを当てたかったんじゃないかなと思うキャラとストーリーだった。ほかにも実現しなかったキャスティングもありそうな。)
 
附言:スケジュールと言えば、有名なエピソードとして、不幸にも最終回前にお亡くなりになってるメインキャストがいるのも珍しい。人生のスケジュールをしくじった市川中車(8th)丈([[吉良上野介]]役。弟さんが代役をした)に触れないわけにはいかない。
 
 
註01…「テレビ・メイト」<大忠臣蔵 特集号(昭和45年12月1日発行 第15号12月号)>によると、当初はおかるにはなんと吉永小百合がキャスティングされていた。降板は映画「戦争と人間第二部」に出るためだろうか。ついでに言うとこの雑誌によれば[[毛利小平太]]は高橋悦史ではなく平幹二朗がキャスティングされていた。また、友人によれば[[土屋主税]]には石原裕次郎が当てられていたというウワサがあったそうだが、それは実現してほしかったなぁ〜!
== その他 ==
女性の撮り方は今ひとつ美しくないかなと思ったものだが、あらためて見てみると、描かれている女子メンはどれもナヨナヨ一辺倒の添え物には終わっておらず、敵キャラも味方も男子メンに負けない魅力的な女丈夫に描かれている。ジェンダーに固執しない登場人物たちは、時代の最先端を行った表現だったのかもしれない。●初めてみた時は、女性の撮り方は今ひとつ美しくないかなと思ったものだが、あらためて見てみると、描かれている女子メンはどれもナヨナヨ一辺倒の添え物には終わっておらず、敵キャラも味方もメンズに負けない魅力的な女丈夫に描かれている。ジェンダーに固執しない登場人物たちは、時代の最先端を行った表現だったのかもしれない。 
[[千坂兵部]]が放つ[[女間者|隠密・お蘭]]の香月晃(元宝塚)と、内蔵助のサポートに[[三村次郎左衛門]]=アースノンガスの左右田一平、[[大石三平]]…高島彩アナのお父さん竜崎 勝の三人が持ち回りで三船敏郎の次くらいに四六時中出ずっぱりなのも本作の特徴。勝、公儀隠密の加倉井林蔵=高松英郎らが持ち回りで三船敏郎の次くらいに四六時中出ずっぱりなのも本作の特徴。
デジタル放送になって以降の忠臣蔵作品はDVDよりBSやCSで見るほうが映像が綺麗だったりするが、逆に本作のような古いフィルム作品だと、地上波の再放送やBSなどよりもDVDの方が綺麗だったりする。さらに、始末の悪いことに放送では差別用語がカットになってたりするので(特に●デジタル放送になって以降の忠臣蔵作品はDVDよりBSやCSで見るほうが映像が綺麗だったりするが、逆に本作のような古いフィルム作品だと、地上波の再放送やBSなどよりもDVDの方が綺麗だったりする。さらに、始末の悪いことに放送では差別用語がカットになってたりするので(特に#29「浪花に散った恋」なんかは音声が穴だらけ)、DVD鑑賞をおすすめしたい。…ただ…、BSとかは字幕がつくので、これもおろそかにできない。(もちろん字幕も不完全になったセリフを反映する形になる)
音楽良いです。いさましいけど、どっかさみしい。ぱっと頭に浮かぶ「忠臣蔵」の音楽と言えば、コレです。●音楽良いです。いさましいけど、どっかさみしい。ぱっと頭に浮かぶ「忠臣蔵」の音楽と言えば、コレです。冨田勲。
ノンケの人が見てもすぐ引き込まれるという作風ではなく、あくまで昭和の時代劇ファン、三船ファン向けと思っていたが、過日まったくノンケの後輩が「南部坂」だけ見てたちまちハマり、最初に遡ってイッキ見していたのでやはり魅力たっぷりの連ドラなのかもしれない。●ノンケの人が見てもすぐ引き込まれるという作風ではなく、あくまで昭和の時代劇ファン、三船ファン向けかな…と思っていたが、過日まったくノンケの後輩が「南部坂」だけ見てたちまちハマり、最初に遡ってイッキ見していたのでやはり魅力たっぷりの連ドラなのかもしれない。
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画像:daicyu_magazine.jpg|当時の雑誌記事(テレビメイトNo当時の雑誌記事(テレビ・メイトNo.267)
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