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忠臣蔵 花の巻雪の巻

6,297 バイト追加, 2018年2月27日 (火) 20:45
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{{Cinema| width制作="200px" border東宝|公開="1" cellpadding1962|内蔵助="4" cellspacing="0" align松本幸四郎8th|星="right"5| colspan="2" align="center" |'''作品概要'''}}[[画像:Tawarabosi.jpg|-! 制作会社thumb| 東宝役者絵:三船敏郎]][[画像:Toho.jpg|-! 公開年度| 1962年|-! 内蔵助役| 松本白鴎|-! 評価thumb| ★★★★★|}映画ポスター。かっけー!!]]
[[画像:Tawarabosi.jpg|thumb|役者絵:三船敏郎]]娯楽映画を自慢とする、東宝色の強い秀作。東宝ファン向け。 この時代の忠臣蔵映画は、どの映画会社びいきかでじゃっかん評価が決まってしまうところもあると思うが、本作品はことあるごとに若い後輩に見せてるが、すんなり入っていけるようです。見れば見るほどわかりやすい。必要なカットばかりでまとめられている。 明らかに他社と毛色の違う、新しい作り方の「東宝的な」忠臣蔵を作ろうとしてる印象で、それは成功しているように見える。東映が老舗のイタリア料理ならこっちはこしゃくな和風フレンチという感じ。 東宝時代劇となると東映よりじゃっかん堅い作りこみだが、当時の黒澤映画や社長シリーズやお姐ちゃんシリーズ、怪獣映画でおなじみの東宝スター勢揃い。無理くり総出演させてる割にキャスティングがうまくいってて、そういった意味で華やか。 んま、それを言うと素晴らしい存在感の主人公・松本幸四郎(のちの松本白鴎1st)がアウェイに感じるかもだが、どのシリーズの人でもない彼をひっぱってきて内蔵助としていただいたのは正しかった気がする。偏らないから。
娯楽映画を自慢とする、東宝色の強い秀作。東宝ファン向け。余談だが東宝娯楽映画といえばクレージーキャッツの映画シリーズも忘れてならないが、1本目の「ニッポン無責任時代」が本作と公開年が同じで、その後人気シリーズとして屋台骨を支えるものの、この時点では東宝映画への貢献は無いのでクレージーのメンバーの出演はない。*<small>1</small>)
この時代の忠臣蔵映画は、どの映画会社びいきかでじゃっかん評価が決まってしまうところもあると思うが、本作品は若い後輩に見せてもかなりすんなり入っていけたようだ。見れば見るほどわかりやすい。必要なカットばかりでまとめられている。
それは明らかに他社と毛色の違う、新しい作り方の「東宝的な」忠臣蔵を作ろうとしてる印象で、成功しているように見える。東映が老舗のイタリア料理ならこっちはこしゃくな和風フレンチという感じ。変わったアプローチがいくつもあるのも特徴で、まずオープニングからしてお公家さんたちの下向途中の'''宿'''、という独特な変化球*<small>2</small>。プロローグを宿屋の主人のモリシゲにまかせて良い掴み。
当時の黒澤映画や社長シリーズや怪獣映画でおなじみの東宝スター勢揃い。んま、それを言うと素晴らしい存在感の主人公・松本白鴎が取ってつけたようなキャスティングに見えなくもないが、この内蔵助はエクセレント。その他にも、あまりほかの映画では描かれないシーンがいくつか(赤穂城開城にあたって、戦争になるかもと恐れをなして逃げる民衆のモブシーンなど*<small>3</small>)あってすごく個性的。
アプローチも変わってるところがいくつもあって、まずオープニングからしてお公家さんたちの下向途中の宿、という独特な変化球。プロローグを宿屋の主人のモリシゲにさらりと話させている。[[萱野三平]](中村吉右衛門2nd)の最後や「大石東下り」、[[高田郡兵衛]]や[[寺坂吉右衛門]]の人生などにオリジナルアレンジが加わってるが、これは賛否両論だろうなあ。東宝の持ち味を出すにはこうしたアレンジがよかったのかなあ。あたしは定石通りやってほしかったっす。(この記述から8年ほどたっての感想ですと、高田の結末と本筋とのカラミが実にみごとで、そのあとのシーンとの流れもうまく機能していて見事。いまは好き)
その他にも、あまりほかの映画では描かれないシーンがいくつか(赤穂城開城にあたって、戦争になるかもと恐れをなして逃げる民衆のモブシーンなど)あってすごく個性的。
[[浅野内匠頭]]は「赤穂の若大将」加山雄三(彼をかばうは「赤穂の若大将」加山雄三(ちなみに彼をかばう[[多門伝八郎]]は若大将のお父さん役・有島一郎)。
浅野内匠頭の武士の一分と[[吉良上野介]]の言い分がまことにわかりやすい。東映の橋蔵の内匠頭が孤立無援でイジメに耐えていてすごくかわいそうだったのに対し、'''若大将は超ナマイキ'''なので、喧嘩っぽさが増長され、刃傷までの行程が自然。同輩の[[伊達左京亮|伊達]]くんが同情してくれてたりするのもいい。人間関係に無理が無く、サムライ言葉も極力現代語にしてる感じで21世紀の人間が見ても共感しやすい。
コミカルな要素もちゃんと入ってるところもエンターテインメントの基本をクリア。スタイリッシュというか都会的と言うか絵柄が清々しくどことなくのびのびしていて品がある。
撞木町で遊びほうける内蔵助のシーンも独特。なにかっつうと「う〜き〜さ〜ま〜、こ〜ち〜ら」って鬼ごっこしかやらない遊興シークエンスを、幇間の三木のり平の踊りや、モノボケ(アイテムを使っての一発芸「見立て」)で色取り、退屈しないのであります(鬼ごっこも、モノボケも歌舞伎のほうで出てくるのだが、たいがい映画やドラマでは一つ覚えに鬼ごっこばかりが映像化される。)。撞木町で遊びほうける内蔵助のシーンも独特。なにかっつうと「う〜き〜さ〜ま〜、こ〜ち〜ら」って鬼ごっこ(めくら鬼)しかやらない遊興シークエンスを、幇間の三木のり平の踊りや、モノボケ(アイテムを使っての一発芸「見立て」)で色取り、退屈しないのであります。 ラスト、討ち入り前はそば屋で仲間を待つ浪士たちのシークエンスにたっぷり時間を取ってるのも独特。  人気お笑い俳優ユニット、脱線トリオが出ているが、ちょうど八波むと志が由利徹と仲をたがえたあとで場面が別。 原節子出演映画の最後の作品でもある(ほとんどアップが無い)。  音楽が伊福部昭なんで、討ち入りの時「ゴジラ」と「海底軍艦」を混ぜたような曲が流れるのがおもしろい。 あ、あと、女性のカツラがいちいち元禄っぽいのもビジュアル的に気持ちいい。 
ラスト、討ち入り前はそば屋で仲間を待つ義士たちのシークエンスにたっぷり時間を取ってるのも特徴。ただしこの作品は公開当時の興行成績がかろうじてベストテンに入っているものの下位で振るわず、これまで他社(東映や大映)が首位だったのもあり、東宝三十周年の独参湯にはならなかったのは残念。『キネマ旬報』誌上では「柄にもない」「まともすぎる」と酷評されていたそうである。
10ヶ月前に椿三十郎をやった三船敏郎をまたこの映画において[[俵星玄蕃]]役で見られるのだから当時のファンは恵まれているなあ。余談だが「ニッポン無責任時代」は同じタイミングで封ぎられてるのでクレージーキャッツの出演は無い。
人気者を無理から総出演させてる割にキャスティングがうまくいっている。ちなみに原節子出演映画の最後の作品でもある(ほとんどアップが無い)。
人気お笑い芸人、脱線トリオが出ているが、すでに八波むと志が由利徹と仲をたがえたあとと見えて場面が別。*1…数カ月後に本作の公開が控えてるので宣伝を意識してか、「ニッポン無責任時代」には「忠臣蔵」というワードが数回出てくる。
*2、3…オープニングが勅使下向だとか、モブシーンとかは8年前の「[[忠臣蔵 花の巻・雪の巻 (松竹)]]」でも、あるっちゃあ、ある。
[[萱野三平]](現・中村吉右衛門)の最後や「大石東下り」、[[寺坂吉右衛門]]の人生などにオリジナルアレンジが加わってるが、これは賛否両論だろうなあ。東宝の持ち味を出すにはこうしたアレンジがよかったのかなあ。それにしてもまったく同じ題名でこの映画の公開前年に松竹から東宝に移籍した白鴎を内蔵助に立てて、特徴的なシーンまでかぶるというのは、なにかしら挑戦的なキナ臭さを感じる。
音楽が伊福部昭なんで、討ち入りの時「ゴジラ」と「海底軍艦」を混ぜたような曲が流れるのがおもしろい。<div class="thumb tleft"><div><amazon>B0105IZGPA</amazon><amazon>B00DMWT8V0</amazon><amazon>B00069BMAC</amazon></div></div>
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1962]]

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