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{{Cinema|制作=東宝|公開=1962|内蔵助=松本幸四郎8th|星=5|頃=}}
[[画像:Tawarabosi.jpg|thumb|役者絵:三船敏郎]][[画像:Toho.jpg|thumb|映画ポスター。かっけー!!]][[画像:Hananomaki.jpg|thumb|海外版ポスター(2014年フランス、ナントのサムライ展より)]]
ただ、内匠頭だけは会社側が誰にするかすんなりいかなかったそうで、ちょうど契約が切れていた中村錦之助を呼ぶという案さえ出たという。
変わったアプローチがいくつもあるのも特徴で、まずオープニングからしてお公家さんたちの下向途中の'''宿'''、という独特な変化球<small>(註02)</small>。プロローグを宿屋の主人のモリシゲにまかせて良い掴み。
コミカルな要素もちゃんと入ってるところもエンターテインメントの基本をクリア。スタイリッシュというか都会的と言うか絵柄が清々しくどことなくのびのびしていて品がある。
あ、あと、女性のカツラがいちいち元禄っぽいのもビジュアル的に気持ちいい。
この作品は、これまで他社(東映や大映)の忠臣蔵映画の興行成績が首位だったのに比べると、公開当時、かろうじてベストテンに入っているものの下位で振るわず、『キネマ旬報』誌上では「柄にもない」「まともすぎる」と酷評されていたそうである。
そうは言っても、不振の映画界において当時、東宝は一人勝ち状態<small>(註06)</small>だったので、会社の隆盛期に作る作品…というセオリーには乗っかっている。
註01…このへんの話は古い週刊文春にあるのだが、藤田進、小林桂樹などがこぞってやりたがった役が、有島一郎のやった[[多門伝八郎]]だったという。有島の多門は監督の推しだったそうだが、やりたがってる役者がいるならやらせてあげて、個人的には有島一郎あたりには[[堀部弥兵衛]]をやって欲しかった。(ちなみに有島はのちに[[大忠臣蔵(NET)|ミフネ版]]で弥兵衛を演じる。)
本作で[[堀部弥兵衛]]を演じている小杉義男は黒澤映画にも本多猪四郎作品にもご常連のベテランなのだが、大部屋さんの印象があり、東映では薄田研二さんがやってる役どころを、名バイプレイヤーの小杉さん(好きだけど)…というのは、もりいが忠臣蔵ビギナーだった頃からの違和感。ふだん東宝映画に貢献している東野英治郎や左卜全が出演していないが、彼らあたりでどうにかならなかったのだろうか?(こういうことでで悩むのが、好き) …<附言>ただ、小杉さんは、同じく東宝の「[[四十八人目の男]]」で、[[堀部安兵衛|安兵衛]]を演じてることを思うと、父子両方を演じためずらしい役者になる。
ちなみに東宝娯楽映画といえばクレージーキャッツの映画シリーズも忘れてならないが、1本目の「ニッポン無責任時代」が本作と公開年が同じで、その後人気シリーズとして屋台骨を支えるものの、この時点では東宝映画への貢献は無いのでクレージーのメンバーの出演はない。数カ月後に本作の公開が控えてるので宣伝を意識してか、「ニッポン無責任時代」には「忠臣蔵」というワードが数回出てくる。
註02,03…オープニングが勅使下向だとか、モブシーンとかは8年前の「[[忠臣蔵 花の巻・雪の巻 (松竹)]]」でも、あるっちゃあ、ある。
それにしてもまったく同じ題名でこの映画の公開前年に松竹から東宝に移籍した白鴎を内蔵助に立てて、特徴的なシーンまでかぶるというのは、なにかしら挑戦的なキナ臭さを感じる。
註04…最初の記述から8年ほど経って、あらためて観ますと、高田の結末と本筋とのカラミが実にみごとで、そのあとのシーンとの流れもうまく機能していて、いまは好き。
まんまとごまかされて宿屋をあとにする役人だが、その際になぜかみな、酔っ払っている。おそらく、たらふくごちそうをされて煙に巻かれたのだろうと予想できるが、そのシーンが無い。
そればかりではなく、「あ、この後、なんかあったな」と想像させる、役者がセリフを言おうと息を呑んだところでカットになるシーンも多く、また、南部坂の三次浅野家屋敷内には侍女に藤山陽子がいるが、いるだけでセリフが無い(要確認)。適度なランニングタイムにするために相当な削除がなされていると想像できる。
註05…・Wikipediaでは、劇伴にゴジラのテーマのモジリがあると、わざわざ説明しているが、そんなこと言ったら本作のBGMなんて東映映画「徳川家康」('65)のメインテーマ曲にモジリでもなんでもなく、'''ほぼ'''まんまのメロディが使われてるのがありますし、伊福部昭先生は使い回しは日常なのであります。(そもそもゴジラのテーマは喜劇映画「社長と女店員」('49)のテーマ曲である)
註06…前述の黒澤映画「天国と地獄」もだが、「キングコング対ゴジラ」もこの年公開の東宝創立30周年記念映画である。
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画像:Hananomaki.jpg|thumb|海外版ポスター(2014年フランス、ナントのサムライ展より)
画像:bunsyun62.jpg|thumb|週刊文春'62.7/2号より 佐藤允の役に誤記。
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