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忠臣蔵 花の巻雪の巻

36 バイト追加, 2010年3月13日 (土) 22:26
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明らかに他社と毛色の違う、新しい作り方の「東宝的な」忠臣蔵を作ろうとしてる印象で、それは成功しているように見える。東映が老舗のイタリア料理ならこっちはこしゃくな和風フレンチという感じ。
時代劇となると東映よりじゃっかん華がないが、当時の黒澤映画や社長シリーズや怪獣映画でおなじみの東宝スター勢揃い。んま、それを言うと素晴らしい存在感の主人公・松本白鴎が取ってつけたようなキャスティングに見えなくもないが、この内蔵助はエクセレント。時代劇となると東映よりじゃっかん華がないが、当時の黒澤映画や社長シリーズや怪獣映画でおなじみの東宝スター勢揃い。無理くり総出演させてる割にキャスティングがうまくいっている。
アプローチも変わってるところがいくつもあって、まずオープニングからしてお公家さんたちの下向途中のんま、それを言うと素晴らしい存在感の主人公・松本白鴎が仲間はずれなようだが(彼は当時の東宝人気映画にシリーズを持っていない)、ここで彼に内蔵助としていただいたのは正しかった気がする。どっかのシリーズから誰かを引っ張ってきようにもなんだか必ず障りがありそうなので。  変わったアプローチがいくつもあるのも特徴で、まずオープニングからしてお公家さんたちの下向途中の'''宿'''、という独特な変化球*<small>1</small>。プロローグを宿屋の主人のモリシゲにさらりと話させている。
その他にも、あまりほかの映画では描かれないシーンがいくつか(赤穂城開城にあたって、戦争になるかもと恐れをなして逃げる民衆のモブシーンなど*<small>2</small>)あってすごく個性的。
撞木町で遊びほうける内蔵助のシーンも独特。なにかっつうと「う〜き〜さ〜ま〜、こ〜ち〜ら」って鬼ごっこ(めくら鬼)しかやらない遊興シークエンスを、幇間の三木のり平の踊りや、モノボケ(アイテムを使っての一発芸「見立て」)で色取り、退屈しないのであります。
ラスト、討ち入り前はそば屋で仲間を待つ浪士たちのシークエンスにたっぷり時間を取ってるのも特徴。ラスト、討ち入り前はそば屋で仲間を待つ浪士たちのシークエンスにたっぷり時間を取ってるのも独特。
とにかく当時の東宝の人気映画(社長、怪獣、お姐ちゃん、若大将、黒澤など)の俳優を全部無理くり総出演させてるのだが、その割にキャスティングがうまくいっている。ちなみに原節子出演映画の最後の作品でもある(ほとんどアップが無い)。
10ヶ月前に椿三十郎をやった三船敏郎をまたこの映画において[[俵星玄蕃]]役で見られるのだから当時のファンは恵まれているなあ。余談だが「ニッポン無責任時代」は同じタイミングで封ぎられてるのでクレージーキャッツの出演は無い。
人気お笑い俳優ユニット、脱線トリオが出ているが、ちょうど八波むと志が由利徹と仲をたがえたあとで場面が別。
原節子出演映画の最後の作品でもある(ほとんどアップが無い)。
[[萱野三平]](現・中村吉右衛門)の最後や「大石東下り」、[[高田郡兵衛]]や[[寺坂吉右衛門]]の人生などにオリジナルアレンジが加わってるが、これは賛否両論だろうなあ。東宝の持ち味を出すにはこうしたアレンジがよかったのかなあ。あたしは定石通りやってほしかったっす。

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