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斧定九郎

45 バイト追加, 2017年4月23日 (日) 23:22
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== 扮装いまむかし ==
江戸時代、中村仲蔵(なかむらなかぞう)がこの役を勤めたとき、それまで山賊の扮装'''(浮世絵研究家・新藤茂先生や古典落語によると夜具縞(とか大島柄)のどてらとまるくけの帯、たっつけ袴(とか紐つけ股引)に五枚重ねのわらじに山刀をさし、頭は百日カツラ〜月代(さかやき)の長くのびたやつ〜に、イグサで組んだ山岡頭巾)'''だったこの役を白塗り顔、のびた五分月代(さかやき)のヘアスタイル。黒羽二重の単衣(ひとえ)に白献上の帯、朱鞘の大小を落とし差し、腕をまくって尻からげに白塗りの脚の浪人姿にアレンジし、ドキッとする美しさの強烈な色悪(ヒール)にしあげて大好評を博し、以降それがスタンダードとなる。(オリジナルの文楽が逆輸入したほど)だったこの役を'''白塗り顔、のびた五分月代(さかやき)のヘアスタイル。黒羽二重の単衣(ひとえ)に白献上の帯、朱鞘の大小を落とし差し、腕をまくって尻からげに白塗りの脚の浪人姿'''にアレンジし、ドキッとする美しさの強烈な色悪(ヒール)にしあげて大好評を博し、以降それがスタンダードとなる。(オリジナルの文楽が逆輸入したほど)
漫画家のみなもと太郎先生に言わせるとこのキャラが出来上がって以降、「天保水滸伝」の平手造酒(ひらてみき)も、高田馬場の[[堀部安兵衛|安兵衛]]も、「浪人」と言えば定九郎像がスタンダードとなったとのこと。なるほど。(ただし黒沢明の「用心棒」で桑畑三十郎が現れるまで?)
このおはなしに出てくる「[[与市兵衛]]を先にやっておいて、あとから濡れた傘を半開きにして一文字に飛んでいき、パッと傘を開いて見得を切る。弁当幕なんでみんなが舞台に集中せず下を向いて弁当を食べてるところへ黒いものがかすめていく(とか、濡れた傘ををクルクル回しながら走るので水がかかるとか)ので観客はハッとする」というシチュエーションは、現在の仮名手本忠臣蔵の五段目には一切出てこない。を先にやっておいて、あとから濡れた傘を半開きにして一文字に飛んでいき、パッと傘を開いて見得を切る。弁当幕なんでみんなが舞台に集中せず下を向いて弁当を食べてるところへ黒いものがかすめていく(とか、濡れた傘ををクルクル回しながら走るので水がかかるとか)ので観客はハッとする」というシチュエーションは、現在の仮名手本忠臣蔵(歌舞伎)の五段目には一切出てこない。
いまスタンダードなのは、与市兵衛が休憩していると背後の掛け稲から白い腕がぬぅっと出てきて50両を盗むという、実に静かで不気味な演出で、これは四代目市川団蔵が、与市兵衛と二役の早替わりを演じてまずセリフが無くなり(1781?)、白い手は七代目の団十郎(1791〜1859)が考案したとされ、明治時代に九代目市川團十郎が「五十両〜」のみにしたとか。
この「白い手」の演出はあまりに素晴らしいので現在まで継承されているんだそうです。
ちなみにこの「白い手〜早変わり/二役」バージョンは2013年12月の中村吉右衛門(2nd)の「知られざる忠臣蔵」公演・「忠臣蔵形容画合(すがたのえあわせ)」において中村歌六(5th)が再現したのが見られた。最終的に殺されてイノシシのようになった与市兵衛と舞うように闘う(どないやねん)。が再現したのが見られた。定九郎が殺されて'''イノシシのようになった与市兵衛'''と舞うように闘う(どないやねん)。
== スピン・オフ ==
後塵の「太平記忠臣講釈」では定九郎が落ちぶれるキッカケが描かれている。後塵の「'''太平記忠臣講釈'''」では定九郎が落ちぶれるキッカケが描かれている。
彼は千崎弥五郎と共に二番目の早打ち。殿の切腹を告げにくる。親父の[[斧九太夫]]は「なんですぐ駆けつけて師直を殺して殿の鬱憤を晴らさなかった!」と怒り、満座の中で勘当するのでした。
その影響を受けて作られた「忠臣蔵後日建前」には定九郎の奥さんの復讐劇「女定九郎」てのもあるそうです。その影響を受けて作られた「'''忠臣蔵後日建前'''」には定九郎の奥さんの復讐劇「女定九郎」てのもあるそうです。
定九郎の女房・まむしのお市が山崎街道に独りでいるおかるの母親・おかやのところまでゆすりに行くが、おかやが実の母親と知ってお市が猟銃自殺するという「仮名手本」の後日譚(すげえな)。
また「菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)」(鶴屋南北原作)という作品ではどういう風の吹き回しか、討ち入りの1年後を描いた、定九郎が塩冶家のために忍術まで使っていろいろ力を尽くすというエピソード(パロディ作品)もある。また「'''菊宴月白浪'''(きくのえんつきのしらなみ)」(鶴屋南北原作)という作品ではどういう風の吹き回しか、討ち入りの1年後を描いた、定九郎が塩冶家のために忍術まで使っていろいろ力を尽くすというエピソード(パロディ作品)もある。
この作品は忠臣蔵の後日談としながらも定九郎は「塩谷家・家老の斧九郎兵衛の子で、元・近習。[[桃井若狭助]]の奥勤めだった加古川という女性の旦那」(超まぎらわしい)としてあり、[[斧九太夫]]の子ではない設定。亡くなった四十七士を羨ましく思っており…てことはアナザーワールド(マルチバース)のハナシである。

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