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新作落語いろいろ

1,696 バイト追加, 2021年3月13日 (土) 18:34
編集の要約なし
ダジャレやギャグが全体に良い感じにちりばめられて、たいそう楽しい構成だが、前半のジャブが効いてるだけに、サゲのパンチが弱くてちょっと拍子抜けした(敢えて言わせていただくと、橘家文蔵(3rd)師匠の「電柱でござる」なみである。)。でも、あとから考えると、さして面白くもないやりとりを「んなアホな」でごまかす上方的なやりかたではなく、落とし噺に徹した笑いづくりが小気味いい。
 
 
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'''サカナ手本忠臣蔵'''…玉川太福
 
海を舞台に、魚介類がくりひろげる、新作浪曲の忠臣蔵(の、松之廊下〜田村邸)。
 
〜以下ネタバレ〜
 
アサリ内匠頭とボラ上野介がサンゴの廊下でいざこざになる場面から始まり、サワラ右京太夫邸で切腹(すると、貝柱が切れてむき身になる)するまでが描かれた、純粋に面白い浪曲劇。
 
「食さそう 醤油の香り 我はバター 半分残し 酒蒸しにせん…」辞世のレシピ
 
鬼のようにどうでもいい題材でも、ものすごく聴き心地の良い唸りで仕上げる太福師匠だから、こっちは終始心地よく笑って見ていられる作品だが、内容は、ダジャレがコンセプトになった登場人物にその生物の豆知識が散りばめられた、「面白いだけ」の作品。
 
喬太郎師匠の落語のように、オカマの男色関係が、忠義忠孝のひねりになっているだとか、ブラック師匠のように、怪獣の個性が見事に忠臣蔵の登場人物に見立てられているといった、「なぜその題材で演ったか」というこだわりや奥行きは、この「サカナ手本」には無い。
 
作者(たぶん松田健次氏)が「2019年に登場人物が魚類になる雑草がふと転がってきた」ということで本を書き、企画を持ちかけられた太福師匠が節にしたりギャグを足して作ったという。<small>(註01)</small>
 
 
註01…2021.3.13 江戸東京博物館小ホールでのネタおろしに配られた口上書と、トークより。

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