「珍説忠臣蔵」の版間の差分

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{{Cinema|制作=新東宝|公開=1953|内蔵助=古川緑波|星=4|頃=}}
 
{{Cinema|制作=新東宝|公開=1953|内蔵助=古川緑波|星=4|頃=}}
楽しい喜劇映画。このころの喜劇の新鮮さといったら、チャーミングったらありゃしない。音楽喜劇というモダンな構成もしびれる。
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楽しい喜劇映画。というか、すごくあなどれない作品。クオリティは高いし、チャーミングったらありゃしない。音楽喜劇というモダンな構成もしびれる。
  
なんとエンタツ・アチャコのしゃべくりも見られる(まもなく仲をたがえて、映画で共演しててもツーショットが見られなくなる)。
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このころの喜劇映画ってこんなに水準が高かったのか、と感心する。たしかに、高度経済成長期にこれをみると古くさく感じたかもだが、今見ると新鮮で、素直に笑える。
  
意外に女優陣がかわいい。
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エンタツ・アチャコのしゃべくりも見られる(まもなく仲をたがえて、映画で共演しててもツーショットが見られなくなる)。
  
 
古い日本の喜劇映画はアメリカあたりのスラップスティックやボードビルをお手本としてるのか、出てる役者が軽妙でたいへん器用であります。
 
古い日本の喜劇映画はアメリカあたりのスラップスティックやボードビルをお手本としてるのか、出てる役者が軽妙でたいへん器用であります。
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軽技(かるわざ)的な演出もあり、討ち入りシーンもすごく楽しい。
 
軽技(かるわざ)的な演出もあり、討ち入りシーンもすごく楽しい。
  
四十七士のユニフォームには背番号がついてるし、吉良屋敷では腰元が応戦に出てくる(腰元はほかの作品には皆無。史実にも女性は雇われてなかったとされる)。
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基本がしっかりしてるので四十七士のユニフォームに背番号つけたりするアソビにゆとりを感じる。
  
腰元集団にやられた村松喜兵衛(堺俊二…マチャアキのお父さん)を助ける大高源五の救出法が「コラーッ!」って、ただ怒鳴るだけというのもおかしい。みんなキャーッて言って逃げちゃう。
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[[吉良上野介|吉良]]屋敷で腰元が応戦に出てくるのはこの作品くらい(史実にも女性は雇われてなかったとされる)だが、なんと言うか、どこの音楽的要素を入れて、どこの花(女子)を配したらいい感じに仕上がるか、ちゃんと考えられてる。
  
これ見てたら、今の芸人さんたちで豊かな喜劇の忠臣蔵が見たくなっちゃったな〜。でもいまのお笑い業界ってみんな実力あるのに、やる側も見る側も忠臣蔵な下地が無いからなー。実現はむずかしいだろうな〜。
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腰元集団にやられた[[村松喜兵衛]](堺俊二…マチャアキのお父さん)を助ける[[大高源五]]の救出法が「コラーッ!」って、ただ怒鳴るだけというのもおかしい。みんなキャーッて言って逃げちゃう。
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これ見てたら、今の芸人さんたちで喜劇の忠臣蔵やったらどういうふうになるのかなと、見たくなっちゃった。でも、作家も芸人もポテンシャル高いけど、やる側も見る側も忠臣蔵な下地が無いからなー。実現はむずかしいだろうな〜。
  
 
ともあれ、本作品は見終わったあともう一回見たい、と思う親しみに満ちた映画。
 
ともあれ、本作品は見終わったあともう一回見たい、と思う親しみに満ちた映画。
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あ、大事なこと忘れてたが、意外に女優陣がかわいい。
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[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1953]]
 
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1953]]

2008年9月18日 (木) 13:26時点における版

作品概要
制作会社 新東宝
公開年度 1953年
内蔵助役 古川緑波
評価 4ツ星

楽しい喜劇映画。というか、すごくあなどれない作品。クオリティは高いし、チャーミングったらありゃしない。音楽喜劇というモダンな構成もしびれる。

このころの喜劇映画ってこんなに水準が高かったのか、と感心する。たしかに、高度経済成長期にこれをみると古くさく感じたかもだが、今見ると新鮮で、素直に笑える。

エンタツ・アチャコのしゃべくりも見られる(まもなく仲をたがえて、映画で共演しててもツーショットが見られなくなる)。

古い日本の喜劇映画はアメリカあたりのスラップスティックやボードビルをお手本としてるのか、出てる役者が軽妙でたいへん器用であります。

軽技(かるわざ)的な演出もあり、討ち入りシーンもすごく楽しい。

基本がしっかりしてるので四十七士のユニフォームに背番号つけたりするアソビにゆとりを感じる。

吉良屋敷で腰元が応戦に出てくるのはこの作品くらい(史実にも女性は雇われてなかったとされる)だが、なんと言うか、どこの音楽的要素を入れて、どこの花(女子)を配したらいい感じに仕上がるか、ちゃんと考えられてる。

腰元集団にやられた村松喜兵衛(堺俊二…マチャアキのお父さん)を助ける大高源五の救出法が「コラーッ!」って、ただ怒鳴るだけというのもおかしい。みんなキャーッて言って逃げちゃう。

これ見てたら、今の芸人さんたちで喜劇の忠臣蔵やったらどういうふうになるのかなと、見たくなっちゃった。でも、作家も芸人もポテンシャル高いけど、やる側も見る側も忠臣蔵な下地が無いからなー。実現はむずかしいだろうな〜。

ともあれ、本作品は見終わったあともう一回見たい、と思う親しみに満ちた映画。

あ、大事なこと忘れてたが、意外に女優陣がかわいい。