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赤穂浪士 天の巻・地の巻

389 バイト追加, 2020年6月26日 (金) 05:40
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さて、本作をあらためて見てみますと、非常に丁寧な作りの、ただしい、品の良い作品で好感度が高い。
東映創立5周年の本作はカラーの忠臣蔵第1号で、第1号=お初と言えば、「松田正次の東映時代劇(畠剛 著)」を読んで「たしかに!」と膝を叩いたのが、ここで[[大石内蔵助]]を演じる市川右太衛門は十八番の「旗本退屈男」に見るオーバーアクションやメイクを一切取り払って、「これが主税の釣った鯛?ほんとにお前が釣ったのか」なんつって、それは'''事件さえなければひじょうに一般的なおっさん事件さえなければひじょうに一般的で平凡おっさん'''という内蔵助像を作り上げている点で、それはこれまで表現されてきたやり方とは一線を画す仕事ぶりといえます。
右太衛門は自著の中で「本作は'''在来の忠臣蔵に比べると吉良側や幕府側、また一般側にも出番がある新しい角度で描いてる'''」というようなことを言っていて(時代映画No」というようなことを言っていて、この点は松田監督と相談ずくだそう。たしかになるほどそれは、21世紀になってまとめて手当たり次第にDVDで見ていては気づかないところ。 「昔はとにかく字幕(オープニングタイトル)が出ただけで、途端に拍手喝采だったくらい、至極安直に忠臣蔵に陶酔する客ばかりだった。今では、つまらん映画は見るだけソンという合理主義の時代です」(両コメント共に、時代映画No.8 昭和31年新年号)、なるほどそれは21世紀からまとめて手当たり次第に見ていては気づかないところ。昭和31年新年号)
あらためて時系列に作品リストをさかのぼってみるとなるほどそのとおりで、フィルムに色がついただけでなく本作は時代劇的にも、右太衛門本人にとってもパラダイムシフトなアプローチの作品とおぼしめす。

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