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赤穂浪士 天の巻・地の巻

サイズ変更なし, 2022年10月2日 (日) 03:10
編集の要約なし
 新しい新しいと言いながら決してアヴァンギャルドではなく、出来上がりは良い意味で「地味」。松田定次監督的にとってもじっくり撮ったお気に入り作品<small>(「キネマ旬報No.1072」/「松田定次の東映時代劇」ワイズ出版)</small>) であるそうだが、これがそのままビギナーにはおとなしく写ってしまうのだろうなと思った。内匠頭の東千代之介も堀田隼人の大友柳太朗も他作品に比べるとなにか一服盛られてるんじゃないかと思うほどローテンションの抑え気味の演技で、これがプラスに働いて良い結果にはなっているのだが、作品全体に働くものがなしさを生んでいる。
 中村錦之介(23歳。初めての「オトナ役」?)は、それまで「紅孔雀」でヒーローだったのに、本作では打たれっぱなしで恋に生きる、和事系の脱盟者の小山田庄左衛門となり、「かっこわるいし、意気地なしの役なんで、ファンは泣いたもんだ」と1944年生まれの、わたしのおともだちが言ってたが、当時の「近代映画 臨時増刊」にも、錦チャンのコメントとして「なんですあのシュウタイは。恥知らずで、もう愛想が尽きちゃったワ」と、ファンからいろいろ言われてることを語っているが、いっぽうで「武士の掟に縛られながら、若い男の人間的な苦悩を出すのは苦労したけど、芯の通った演技だから一生懸命やった。好きな役」と概略そう言っている。フランス文学に造形の深い、原作の大佛次郎の膨らませた、いままでの忠臣蔵劇にないポジションを、若い錦ちゃんは、しっかり受け止めている。臨時増刊」にも、錦チャンのコメントとして「なんですあのシュウタイは。恥知らずで、もう愛想が尽きちゃったワ」と、ファンからいろいろ言われてることを語っているが、いっぽうで「武士の掟に縛られながら、若い男の人間的な苦悩を出すのは苦労したけど、芯の通った演技だから一生懸命やった。好きな役」と概略そう言っている。フランス文学に造詣の深い、原作の大佛次郎の膨らませた、いままでの忠臣蔵劇にないポジションを、若い錦ちゃんは、しっかり受け止めている。

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