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{{Cinema|制作=松竹|公開=1977|内蔵助=松本白鴎ほか|星=5|頃=}}
[[画像:Sadakuro.jpg|thumb|役者絵:中村橋之助]][[画像:Yujyo_okaru.jpg|thumb|役者絵:坂東玉三郎]][[画像:Tonase.jpg|thumb|役者絵:中村歌右衛門]]
レビューのサイトなのでストーリーにはそんなに詳しく触れておりません。
絢爛だけど、すさまじく、ところどころカワイイという実に不思議なエンターテインメント。
一方、人形浄瑠璃のDVDは'''原作たる面目を守り、全段が入っております'''。(両方共に、NHKエンタープライズからリリース)
「早駕籠に乗ってくるんだから腹帯をキュッと締めていたのをゆるめて、臍下丹田に落とす」という"ゆるめ説"もある。
'''評定'''
若い侍達が自決だ籠城だとやってるのを、斧九太夫が表面的にはほめたたえながらも「お金配分するなら私にはたくさん頂戴」といいながら退出。最終的には、どんな所存でもみんなは由良之助に同意すると決める。
映画やドラマでは血判したりするシーンでおなじみであります。
近年の歌舞伎上演の際、キャラクターの名前を史実の名前に直しちゃってるものもあり、ここでもお家再興の話題の時、原作にある「ご舎弟・縫の介様もござれば」っていうのを「ご舎弟・大学様もござれば」と言っちゃってる場合がある。個人的感想だが、仮名手本では、すべて原作どおりの変名でやるべきなんじゃないかしら。
'''表門 城明け渡しの場'''
閉ざされた門の外で、由良之助が朝までおり、夜明けに「ある決意」をする。映画やドラマや浪曲もおなじみの「城明け渡し」に該当するシーン。
人形浄瑠璃と歌舞伎では演出面でひじょうに興味深い違いがある。
判官切腹のあとで由良之助が無念の涙ハラハラハラとするシーンは、人形浄瑠璃では塩冶判官の遺骸のかたわらでやるが、歌舞伎では門外でひととおりやる。
ちなみに印象的な、懐中の九寸五分を出して、血潮を手にとって舐め、五臓六腑に納めたてまつるシーンは人形浄瑠璃では死んだ殿さまのすぐ横で、渡された九寸五分をダイレクトに舐めたあと懐にしまう。
このあと人形浄瑠璃では提灯の紋の部分をカッターで切って懐に入れるが、歌舞伎では円筒提灯の加輪をとっぱらって日袋の部分を懐に入れた。
いちばん大きな違いがラストで、人形浄瑠璃では「ハッタと睨んでぇ!!」とそれだけ台詞が入って由良之助がハケて幕となるが、歌舞伎は由良之助が花道を下がってるときに幕が途中までしまったところで止まり、急にソデから三味線の人が現れ、マドロス風に台に片足を乗っけたかと思うと「送り三重(さんじゅう)」を奏でる。由良之助はトボトボむこうへ入る。ちょっとシュールでおもしろい。
四段目裏
'''鳥本宿 蜂の巣の場'''
北陸のほうで出張中の[[寺坂吉右衛門|寺岡平右衛門]]が居酒屋で一杯やってると、百姓たちが蜂の大合戦を見て騒いでるのを居合わせた坊さんが「こういう稀代は京か鎌倉の諸侯方に凶事があるのでは?」と不吉なことを言う。平右衛門は鎌倉の殿様のところへ走る。
なんとなく七段目との因果関係が成立してて、あればあったで気持ちのいいエピソードでございます。