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通し狂言 仮名手本忠臣蔵

173 バイト追加, 2015年9月29日 (火) 02:03
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よく上演されるわりに、由良之助を演ずる役者は異口同音に「むずかしい」という。大酒を飲んでて血中アルコール濃度は上がってるのにシンは酔ってない。でも、酔ったフリをしなければいけない。というのを演じるのには骨が折れるとか。
 
人形の場合は由良之助は「孔明」という知謀に長けた頭部を使うが、それが酔って洒落た仕草をするギャップがおもしろい。
 
さてDVDのおかる、女形の中村歌右衛門(6th)さんがご高齢で、妙齢なはずのおかるがおばあさんに見えちゃうのがじゃっかんサメた。しかしいろんなおかるを見たがこの人ほど「女性」の線というかデフォルメがすばらしい人はほかにしらない。中村福助(9th)のお軽(09顔見世)はその歌右衛門に直接手ほどきを受けてると言うだけに「あ」と思うほど歌右衛門っぽいところがあるが、ひじょうにリーズナブルというか、わかりやすい、なんというか最近の女子のような親近感のあるお軽がいい。ただ六段目で実家と名残惜しく別れたいきさつとの関連性は怪しくなる。
作家の町田康氏はこうした感情作用を「その涙ってなんの涙かって説明がないんですよね。ソレが可哀相だからとかソレが劇的に盛り上がったからとかそういうんじゃないんですよね。なんか知らないですけど"根源的な部分をシェイクされるような感じ"がするんですよね」と言っている(もっともこりゃ、浪曲を聴いたときの感想だが)。
 
由良之助と仲居たちが遊ぶとき、その公演当時の'''時事ネタを入れる'''モノボケの一発芸「見立て」が楽しい。(<仁左衛門(15th)が由良之助の時は見たことがない(先代はやってたけど)。上方系ではあんまりやらないそうです。中村座でもやってなかったが。團十郎(12th)は昭和61年やってた。)
 
見立てと言えば、はしごから降りてくる軽の大事なところが見えたとからかうにあたって由良之助は「船玉様が見える」「洞庭の秋の月を拝みたてまつるじゃ」と豊かなギャグを言い、「覗かんすないな」と怒られる。洞庭はともかく、船玉ってなんだろうと思ったが要は船霊様で、船の上面図を女陰の形に見立てたのであります。そりゃまた、えらい、えらひとじゃ。

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