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赤穂城断絶
,編集の要約なし
熱い。深作欣二監督作品。
「仁義なき戦い」の元禄版、血湧き肉踊る「実録!赤穂事件!!」というふうなパロディのおもむきがあって面白い。カメラも斜めンなっちゃったり、抑えめのナレーションとか。キャストもいっぱいこっちにスライドしてる。なんか出演者みんなドスが効いてる。女優陣も「姉御」肌。新世代の時代劇。<small>註釈01</small>
とにかく「深作欣二版」という特色がよく出てるパッケージにまとまってる。
カット割りも多いしすごく軽妙かつダイナミック&スピーディ。冬より夏のイメージの強い忠臣蔵。
これまでで血のりが一番多い。たとえば松の廊下は吉良の血のりはこの映画が一番ベスト。額(ひたい)というのは少し切っただけで思いのほか多量に出血するし、史実にも「血がなかなか止まらなかった」そうなので、どんどん出していいのになあ。アレ衣装を汚さないような配慮なのかしら。
予想どおり討ち入りのチャンバラシーンがたっぷりだが、木の上においてあった綿(わた雪ではなく、コットンです)がフワリとおっこったり、しまいにゃ刀にひっかかって宙を舞うご愛嬌がある。
金子信夫で内蔵助を演じてほしかった<small>(「キネマ旬報」NO.1145)</small>と言うが、見てみたかったものです。
昭和時代最後の忠臣蔵映画。
註釈01…東映の時代劇が作られなくなって久しく、この1978年に先行して公開された「柳生一族の陰謀」がヒットしたんで、強行スケジュールで時代劇復興第2段!という勢いで制作されたイメージだが、すでに「忠臣蔵と聞いても内容を知ってる若者はいない」(脚本:高田宏浩)という時代で、資材は残ってるけどスタッフも時代劇の勝手がわかってる人が40人位だったという<small>(監督:深作欣二 高田氏とともに「キネマ旬報」No.747より)</small>。
それでも、この年は手塚治虫が悔やむほど<small>(「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」2015年4月)</small>「さらば宇宙戦艦ヤマト」の「我が身を捨てるヒロイズム」=浪花節哲学が若者に大ヒット中で、「赤穂城断絶」が受け入れられる下地はあったようだ。
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[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1978]]