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薄桜記
,編集の要約なし
【はくおうき】
途中までズ〜〜ッと丹下'''左膳'''と安兵衛の話だと勘違いしながら見てたときは、[[血槍無双]]みたいな娯楽作品だと思ってたんですが、なんだか「別格」でありました。だってオープニングのテンポとか、娯楽映画的にグイグイ引っ張りこんでくれるんですもの。
雷蔵が光り輝いてるが、この翌年、カツシンが「不知火検校」で新しく生まれかわります。
== 秘剣破り ==
2年後に倒産してしまう大映の上記「薄桜記」のがんばったリメイク。市川雷蔵を病気で失った穴を東映から松方弘樹(丹下典膳)を借りてこないといけないお家事情の大映だが(注釈:ゴメン。借りてきたんじゃなく、このとき移籍してました。)、安兵衛の本郷功次郎の魅力もじゅうぶん光っている。脚本はオリジナル(は10年前)と同じ伊藤大輔。1969年作品。
構成はマンマだが、セリフが足されたり引かれたりしてすごくリーズナブルにわかりやすく生まれ変わっている。
ハナシが見えやすくなったぶん、雷蔵版では彼の存在感で見えにくくなっていた「なんだかつまらない行きがかりでソンばかりしてる、強いのにいいところナシの哀れな丹下さんのハナシ」というストーリーラインが浮き彫りになってしまって見えたのが特徴。
しかし、完成度が非常に良いのに会社の立て直しには貢献できなかったとなると、当時の映画界の客離れはシャレにならない落ち目ぶりだったのだなあと思う。
== 時代劇スペシャル忠臣蔵外伝 薄桜記 丹下典膳と堀部安兵衛~孤高の武士 丹下典膳の生涯〜 ==
同じ原作で1991年秋に杉良太郎を典膳に迎えドラマ化された。(テレ東)
テレビサイズにいいかんじにコンパクトに整理されており、演出にも小技が利いていて杉サマの貫禄も良く、好感が持てる作品。
映画と違ってカラッとしており、浪人した典膳が大工さんの用心棒になるエピソードなどがあって(原作読んでないんで恐縮ですがNHK版にもこのエピソードはあるのでこっちがホントらしいですな?)、大映版のあの印象的なラストとは違う感じになっている。
ところでこの当時ってキャスティングに「?」と思うことがしばしばある。安兵衛役の竜雷太はファンだが、なにも当時51歳の彼を20代前半の安兵衛に当てなくても…。4年後に[[忠臣蔵|別のドラマ]]で安さんの伯父さんの[[菅野六郎左衛門]]を演るヒトですよw。
どういう事情なのかと思っていたが、チャンネルが違うがこの2年ほど前にやはり忠臣蔵外伝[[腕におぼえあり|「用心棒日月抄」]]をやったときにも竜雷太や佳那晃子を主要な役に置いて共演している。Wikipediaによれば、このころの杉良太郎には共演者に常連がいるそうで、年格好のリアリティよりも一座?全体のありさまで楽しんでもらおうというねらいなのかもです。
== NHK BS時代劇 薄桜記 ==
[[画像:Kasuga.jpg|thumb|役者絵:オードリー春日]]
2012夏にNHK BSプレミアムにて放送の11回の連ドラ。
むかし[[矢頭右衛門七]]を[[忠臣蔵|経験してる]]山本耕史が30代半ばとなって、彼の丹下典膳を完成させていて良かった。
説得力のある構成から、幾度も典膳の「生き方」についていろいろ考えさせられた。
むかし[[早野勘平]]を[[新春ワイド時代劇 忠臣蔵−決断の時|経験してる]]高橋和也の堀部安兵衛はコレまで表現されてきた安兵衛像の中でも相当滑稽な部類に入るくらい軽妙でまっすぐなキャラだが、これもすごくイイ感じに作ってて、典膳とのコントラストをわかりやすくしている。
ちなみに、高橋氏は安兵衛の故郷・新発田のおまつりに参加して、なかなかちゃんとしてる方であるが、高橋氏もこの安兵衛役は楽しかったのではないかな。
脚本のジェームス三木のおかげなのか、内容はすこぶる良かった。
セリフの中には新鮮に「かもねえ」「だよなあ」「それほんと?」とワクッとする箇所が毎回あり、とにかく見てて楽しかった。
主役の典膳が吉良側なので吉良家の場面が多く、上野介もだいぶスマートな粋人にえがかれてるので、義士ファンとしてはいささか分が悪く感じるときがあったが(内匠頭がオードリー春日というのもアレだしw。そもそも原作の扱いが暗君だとか。)、それでもジミーは一方に比重が行かないように、双方のキャラをバランスよく魅力たっぷりに整えている。
近年の視聴者は頭が良いので、対立する「言い分」の両方に納得してもらうように構成するのは骨が折れると思います。
決め手はキャラの持つ「哲学」や「価値観」。
最終回はコレをキレイにまとめて幕は下りる。
こういうていねいなドラマは、お茶の間はすごく歓迎でございます。
評判が良かったようで、すぐ地上波の放送が決まった。
※放送当時の忠臣蔵ぶろぐ>>[http://blog.kusuya.net/?eid=624 http://blog.kusuya.net/?eid=624]
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