宝井其角
宝井其角【たからい きかく】…松尾芭蕉十哲のひとり。通称「茅場町の宗匠」。
討ち入りの前日、両国橋で友達の大高源五(俳名:子葉さん)に久しぶりに(倒産後初めて)会い、句を交わす。
宝井「年の瀬や水の流れも人の身も」。大高「あした待たるるその宝船」
テレビなどでは時間の関係上、その場で「うまい」などとほめるが、講談のほうでは其角はピンと来ず、それどころか「長い浪人暮らしで腕がそうとう落ちたな、こりゃ」とガッカリする。別れ際、雪が降ってるのに彼があんまりみすぼらしいかっこうなんで着ていた羽織をやる。
討ち入り当日、吉良邸の隣家の本多倉之助さんち(松浦さんちや土屋さんちだったりする)でお友達に服部嵐雪(らんせつ)、鯉屋杉風(こいやさんぷう)らといっしょに申し合わせて飲み会。大高の落ちぶれぶりを愚痴ってると本多さんから「勘違いだよ宗匠。そりゃ〜仇討ちの暗喩だぜ」と言われ、そこでやっと句の意味に気づく。
やがて、お隣で討ち入りがおっぱじまり、お騒がせの挨拶に大高源五がやって来て再会。其角、興奮して「子葉さん昨日は失礼!あたしが末世にあんたのことは書き残しますからねっ!じゃ首途(かどで)に一句!我が雪と思えば軽し笠の上…」大高「ん〜…日の恩やたちまち砕く厚凍り」そしたら隣りの富森が「あたしもあたしも!え〜飛び込んで手にもたまらぬ霰(あられ)かな」<って、それどころじゃなくね?(仲代版などで大高のみが返句するシーンが映像化されている。このエピソードは本多さんちが松浦さんちで、相方が岡嶋八十右衛門だったりすることがある。)
Wikiでは、実際大高源五と仲良しだったとある。討ち入りを見物したともされている。
歌舞伎のスピン・オフ「松浦の太鼓」では羽織は松浦さんからのプレゼント。
高名な俳諧師だが、おっちょこちょいに描かれることもあり、実際粋人で酒好きだったとか。
享年47歳。