必殺仕切人
本作品『必殺仕切人』は、第二次必殺ブームのピーク?(要出典)の前シリーズ『必殺仕事人IV』の、次のシリーズ第22弾。
最終話から3本前が、この『もしも討入りに雪が降らなかったら』であります。
(以下ネタバレ)
どういう風の吹き回しなのか、もう脚本家がハナから「忠臣蔵で遊ぼうっと!」とガッツリ決めてたような、密度の濃いパロディになっている。
オープニングから、眉目秀麗な殺し屋・勇次(中条きよし)の斧定九郎(ちゃんと白塗り)が勘平(そもそもそういう役名の芦屋雁之助)の与市兵衛を刺し殺す…ギャアと言って夢から覚める勘平・・・。
かんぜんなファンサで、内容とは一切関係のない仮名手本忠臣蔵コスプレシーンで開幕。
播州の浅野家(!?)の奥家老・大野がおつぼねのおたか(高師直のもじりですね)と結託して、"ただなんとなくきらいな"お浅を排除しようと、亡き者にする。
ここに侍女のお石(大石内蔵助ですね)が、お浅の三味線の師匠・勇次にあとをたのみ、おたか暗殺に単身特攻して返り討ちに合う。
ので、仕切り人が動く。
個人的には『新・必殺仕置人』(1977)ファンなので、この頃のライトな風潮は可もなく不可もなくといった印象。
制作サイドもこのあとの『必殺仕事人IV』で原点回帰を目指したらしいが、この当時のお茶の間は受け付けなかったという。毎週決まった時間に淡々と画面の中で悪いやつが殺されてくれれば文句はない…という偉大なるマンネリを期待していたのかもしれません。
個人的に興奮したのは、雁之助の奥さん役が、明るいシーンで見たらアンヌ隊員(ひし美ゆり子さん)だったこと!
要は、前作で中村主水が担っていた、女房の尻に敷かれるコメディリリーフをこの夫婦が引き継いでるわけだが、キャスティングに萌えた。
ほかにも、ゲストスターのお浅は麻丘めぐみさんだし、お石は『大岡越前』で高橋元太郎演じる岡っ引きの奥さんで、顔が大好きな遠藤真理子 (出演当時の芸名は香山まり子)さんで、なんかもう、終始気分が良かったのですが、この回は京マチ子(も、大好きなのに)が出てないのが残念でした〜。
関連作品
- 新春仕事人スペシャル 必殺忠臣蔵(1987)