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中村仲蔵

308 バイト追加, 2019年4月12日 (金) 14:49
編集の要約なし
(ネタバレあり)神田松之丞バージョンしか知らないのだが、講談ならではのボソボソ調で七つの頃の仲蔵から始まる。あとにすごく良い所で再び少年時代の回想が出てくる見事な構成だったが、そんな洒落たことを明治大正期の講釈の先生がしたろうか?<small>(註釈01)</small>(ネタバレあり)長唄師匠の奥さんが船頭の甥っ子を養子にもらう(のちの仲蔵)ところから始まって笑い無しで團十郎のヒイキ〜作家の意地悪〜配役〜開発…。
さて内容は、落語版よりも落語にもある、自分の工夫を失敗したと勘違いして江戸を後にしようとしたときに世間の評判を小耳に挟むくだりをカットしてダイレクトに師匠から褒められるバージョンがあるが、好みではない。  神田松之丞バージョンが別格で、七つの頃の仲蔵と親父の会話から始まる。松之丞版はあとにすごく良い所で再び少年時代の回想が出てくる見事な構成だったが、このドラマチックな構成は「pen+」誌「一冊まるごと神田松之丞」によると松之丞氏の工夫のようでございます。 さて内容は、通常版よりも"血の無い"仲蔵の苦労がひときわで、周囲のやっかみがすごい。
「楽屋雀め、見ていやがれ」という意地と根性と才能で「シン・定九郎」を考案に至らしめる仲蔵像は良い意味で重たく、「弁当幕」の客の静まり返ったリアクションも数日に及ぶ。コレいわゆる「客に蹴られた」と仲蔵が誤解し絶望感に浸る場面だが、水を打ったように静まり返る場の緊張感に赤ん坊が急に泣き出すシーンもなかなか圧巻。
仲蔵は落語ではカミさんと相談して上方へ旅にでようとするが、こっちは首をくくろうとする。仲蔵は落語ではカミさんと相談して上方へ旅にでようとするが、こっちは首をくくろうとする(ちなみに独身)。
心理描写や状況描写を落語よりもずいぶんと引っ張るので松之丞さん(2019.4月現在)の芝居がかったパフォーマンスと相まって、何日か経った超満員の客席から最初に大向うから声援が飛んだのを皮切りに場内が沸き返るような騒ぎになるシーンでは張り詰めた弓が急に緩んだようにこちらの涙がドバーッと出る。
この話ではお手本となる浪人を目撃はしてもコンタクトをしないので、念願の此村大吉のエピソードに触れられるのか!?と思ったが、なんにもなかった。<small>(註釈02)(註釈01)</small>
いろんなシチュエーションが陰気臭いにもかかわらず、すごくドラマチックで傑作。
註釈01…コレ書いたあと「pen+」誌「一冊まるごと神田松之丞」読んだら、どうやらこの噺には松之丞氏の工夫がだいぶ入っているようでございます。 註釈02…此村大吉はこっちじゃなくて「旗本五人男」という30席以上ある長編講談の登場人物。冒頭で捨て子だった仲蔵の逸話が触れられ、大吉が仲蔵に目撃されるのは蕎麦屋ではなく土手を走っているシチュエーションになっている。註釈01…此村大吉はこっちじゃなくて「旗本五人男」という30席以上ある長編講談の登場人物。冒頭で捨て子だった仲蔵の逸話が触れられ、大吉が仲蔵に目撃されるのは蕎麦屋ではなく土手を走っているシチュエーションになっている。

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