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また、あにはからんや、劇場の大スクリーンで見ていると、三平のシークエンスのすべてが、泣けた。また、あにはからんや、劇場の大スクリーンで見ていると、萱野三平のシークエンスのすべてが、泣けた。
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<附言>…2022年7月。国立映画アーカイブ(長瀬記念ホール ozu)の「東宝の90年 モダンと革新の映画史」で上映されたとき、ほかの観客(東宝映画やスターをこころえていて、金語楼や脱線トリオが出てくるだけで笑える世代)と一緒に見ていると、このシーンの印象はかなり違った。「森繁が"東下りみたいなことをしている"」ということで用意されたシチュエーションを観客は素直に受け入れ、忠臣蔵的な理屈を超越したなにかが場内で成立していた。これはお茶の間でDVDで見ているだけでは見つからない機能である。(あと、旭堂南湖先生の「大石東下り」に近衛関白の直筆、というものが権威あるアイテムとして登場してたんで、この映画のシチュエーションもあながち「設定が甘い」などと言えないのかも)