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時代劇特別企画 忠臣蔵

0 バイト除去, 2008年9月2日 (火) 19:48
編集の要約なし
{| width="200px" border="1" cellpadding="4" cellspacing="0" align="right"
| colspan="2" align="center" |'''作品概要'''
|-
! 制作会社
| TBS
|-
! 公開年度
| 1990年
|-
! 内蔵助役
| ビートたけし
|-
! 評価
| ★★★★★
|}

[[画像:ooisi3.jpg|thumb|役者絵:ビートたけし]]

たけしが主人公だがコメディではなく、新解釈の忠臣蔵。

「わたしは人を殺したことも無いし、殺されたくもないし、勇気も無い…」内蔵助は臆病な元禄サムライ。討ち入りをしたくなかった…

すべて定石通りに史実のエピソードは進むが、全部の視点やセリフが違う。同じ行動でも視点を変えることによってまったく違うものが見えてくるから面白いし、なにより意外とつじつまが合っている。

知るかぎり、城明け渡しの際に江戸本社から下見聞に来た荒木十郎右衛門らの前に大石内蔵助が土下座して浅野家再興を嘆願するシークエンスがドラマに表現されてるのはNHK大河ドラマの他にはこの作品しか知らない。で、同じ土下座でも見え方がかなり違う。「大河」では熱く必死に見えるのに対し、たけし版の土下座はひじょうに滑稽でなさけない。

あと特徴的なのは後世にいろいろ研究されて明らかになった事実や、憶測されたあれこれがドラマ構成に大胆に取り入れられてること。ふつうは「脇差しは突くものです。それを殿はうちわのように振り回した。発狂したとしか思えない」なんて家老は言わない。討ち入りのときに屋根から降り損なって打撲した義士は存在したが、ふつう描かない。討ち入りを見物したともされている宝井其角を本当に見物させない。討ち入りは義士のワンサイド・ゲームだったことも。劇中に犬のクソも踏むシーンなど出てこない。かっこ悪い史実はふつう映像化しないのに、このドラマはそれらをやっている。(のちにジェームス三木の「忠臣蔵 瑤泉院の陰謀」が近いことをやっている)

また、ふつう急進派だなんだとイデオロギーでばかり分けられるメンバーの派閥だが「たかが十石取りの分際で!」的に身分差別を口に出して言い争いをするシーンも、それらしい。

キャスティングも手堅い。お笑い芸人のたけしを実力派俳優たちがフォローするように仕事をしている様が、そのままたよりない内蔵助をバックアップするメンバーの演出とオーバーラップしている。

日本って、別にヘッドがしっかりしてなくてもまつり事がなんとかなっちゃう国だから、こういうアレンジも意外と納得がいっちゃう。''ちなみに時の総理は海部俊樹。''

「邪道」「ナンセンス」という見方もできなくはないが、偉大なるワンパターンの映像版「忠臣蔵」に大胆なアプローチで一石を投じたエポックメイキング的作品。

この作品以降、怪作が妙に目につくのは単なる偶然ではなく、明らかに忠臣蔵の作り方に異様な化学反応を起こしているかに見える。
時代劇ぎらいの人にも、忠臣蔵に詳しい人にもオススメ。

セットがもうひとつしょぼいのが残念。

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