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峠の群像

174 バイト追加, 2010年6月7日 (月) 16:34
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この「峠の群像」は登場人物がひじょうに人間くさく描かれており、それらしいエピソードや人物描写で物語を構成することにより、どんな人だって正しいときや間違ってるときはあらぁな。というスタンスをつらぬきながら「とりたてて立派なわけではない」ヒトたちが討ち入りという目標に向かってどんどんまとまっていく忠臣蔵を完成させた。まさに画期的と言っていい傑作。
連絡の行き違いから畳替え事件が起こり、そのことで[[吉良上野介|吉良]]が[[柳沢吉保|柳沢]]に怒られるであるとか、浅野と吉良の重たい関係も会社でありそうな成り行きだったり、ラストのほうでもふつう[[上杉綱憲]]を制止する[[色部又四郎]]が率先して討ち入りされてる吉良家に出かけようとしたり。いろいろと「そりゃそうだろう。そういうことになるだろう」と見ていておもしろい筋立てを作っている。が率先して討ち入りされてる吉良家に出かけようとしたり。いろいろと「そういうこともあるかもしれん」と見ていて妙に納得するような筋立てがおもしろい。
また、大きな特徴としては「倒産後も塩田の経営存続はできませんか?」というテーマが大きく取り上げられている点で(原作者が経済評論家だからか)、架空の人物・赤穂藩士の石野七郎次(マツケン)の奔走ぶりがアクセントになっている。また、大きな特徴としては「倒産後も地元の塩田の経営存続はできますか?」というテーマが大きく取り上げられている点で(原作者が経済評論家だからか)、討ち入りとのコントラストがオリジナリティがあり、架空の人物・赤穂藩士の石野七郎次(マツケン)の奔走ぶりがいいアクセントになっている。
また、出演者が奮闘している。
最大の貢献者はやはり内蔵助を演じた緒形拳の演技で、この人はなんの役をやっても緒形拳なのだが、演技はみごとに登場人物になりきれる名優。今回も「彼の内蔵助」を完成させている。最大の貢献者はやはり内蔵助を演じた緒形拳の演技で、この人はなんの役をやっても緒形拳の顔なのだが、演技はみごとに登場人物になりきれる名優。今回も「彼の内蔵助」を完成させている。
お家大変まではコミカルな要素も多かった昼行灯の彼が、赤穂藩がお取りつぶしとなり、うろたえ、迷いに迷い、耐えに耐える。そして討ち入りを決意してからは人相がすっかり変わってしまう。殺人者となる決心が演技に見て取れる。この、うろたえたり、精神状態が不安定になる内蔵助というのは見たことがない。まさに見所である。お家大変まではコミカルな要素も多かった昼行灯の彼が、赤穂藩がお取りつぶしとなり、うろたえ、迷いに迷い、耐えに耐える。ノイローゼ気味になったりもするが、討ち入りを決意してからは人相がすっかり変わり、殺人者となる決心が演技に見て取れる。この、うろたえたり、精神状態が不安定になる内蔵助というのは見たことがない。まさに本作の見所である。
意外に印象的だったのが郷ひろみが演じる[[片岡源五右衛門]]で、殿様のそばにずっといただけに吉良を打ちたいという殺意に満ちた妖気を出しており、単独行動の暗殺者を静かに演じきってて見直した。
[[原惣右衛門]]をやった矢野宣(「新幹線大爆破」で発狂する商社マンで有名)がたえずトイレを我慢してるような顔つきで内蔵助のそばにいて、なにかというと怒鳴り散らすのがカンにさわったが、実はこれも見事な演出で、最終的に討ち入りの時、彼をやった矢野宣(「新幹線大爆破」で発狂する商社マンで有名)がたえずトイレを我慢してるような顔つきで内蔵助のそばにいて、なにかというと怒鳴り散らすのがカンにさわったが、実はこれも見事な仕込みで、最終的に討ち入りの時、虚脱状態となっているメンバーの中で彼'''だけ'''が勝ちどきを上げるという徹底したKYキャラが仕上がっていたんで結果的に好感が持てた。が勝ちどきを上げるという徹底したKYキャラに仕上がっており、結果的に好感が持てた。
放送当時を知る何人かの友人によれば小林薫演じる[[不破数右衛門]]の人気は尋常じゃなかったそうである。それこそ「不破サマ〜」と。クールで無骨で愚直な不破は歴代ベスト5に入る出来。
また伊丹十三の吉良も品があり、誤解されやすい人物を見事に作り上げており、現在も「峠」の内容は記憶してないが伊丹はよかった、という人も多い。
アイドルが花を添えておりジャニーズ勢もたくさん出ており、健闘している。アイドルが花を添えておりジャニーズ勢もたくさん出ている。[[矢頭右衛門七]]のヨッチャンは塩田経営のほうに最初は荷担しており、巻き込まれるように加盟する。[[清水一学]]のニッキは好青年で、[[伊達左京亮]]のヤックンは要領のいい饗応役。どれも斬新な演出だ。三田寛子(=京女。おかる)やキョンキョン(すぐばれる間者)も出ている。
さて、この作品は現在総集編がDVDで見られるが、総集編というのは結局ストーリーをおおざっぱに追うので、はじめ総集編だけしか見てなかったときは感想がまったく違った。
「一本調子で抑揚がなく、そのムードが首尾一貫しており、キャラも豊かに膨らんでいない。暗く重苦しい画作りの中で、みんなが無表情で思案し、悩み、相談かもめごとを繰り返すばかり。そしてときどき怒鳴る。「一本調子で抑揚がなく、キャラも豊かに膨らんでいない。暗く重苦しい画作りの中で、たえずみんなが無表情で思案し、悩み、相談かもめごとを繰り返すばかり。そしてときどき怒鳴る。そんなムードが首尾一貫してる'''もっとも暗い忠臣蔵'''」とまったく逆の酷評をした。
ドラマのおもしろさというのはいろんな肉付けにあるわけで、贅肉をそぎ落としちまって総集編なんて作っちゃうと、単に風変わりな作品になってしまう。ドラマのおもしろさというのはいろんな肉付けにあるわけで、贅肉をそぎ落としちまってカスカスの総集編なんて作っちゃうと、単に風変わりな作品になってしまう。
思い出を振り返るにはいいが作品を知るためには総集編などというモノは役に立たない。思い出を振り返るにはいいが、作品を知るためには総集編などというモノは役に立たない。

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