差分

提供: Kusupedia
移動先: 案内検索

通し狂言 仮名手本忠臣蔵

14 バイト追加, 2010年12月18日 (土) 13:10
編集の要約なし
'''塩冶判官切腹の場'''
判官切腹。慣用句?として使われる「おそかりし、ゆらのすけ〜!」って実際セリフにあるのかと思ったら実際は「由良之助か、待ちかねたわやい〜」だった。「通さん場」といって劇場のお客さんの出入りが許されない大事な段。判官切腹。慣用句?として使われる「おそかりし、ゆらのすけ〜!」って実際セリフにあるのかと思ったら実際は「由良之助か、待ちかねたわやい〜」だった。 「通さん場」といって劇場のお客さんの出入りが許されない大事な段。
さて、ビギナーにはとっつきにくい歌舞伎の所作には実は玄人も実はよくわかってないこともおありだそうで、たとえばこの切腹の場にやっと到着した由良之助が検使役・石堂右馬之丞に「近う近う〜」と言われて花道で一回両手を懐に入れる仕草について、落語の「四段目」(出典:志ん朝版)では「ひょいっと顔を上げてみるってえと、もうお殿様はお腹を召してるから"しまった〜"と思っても、ここでもってあわてちゃあいけないと思うから両方の手をこうやってフトコロへ突っ込んで腹帯をキュウッと締め直す。」と説明しているが、市村羽左衛門(17th)がある番組で言うには「なんでああいう仕草をするんだか九代目からおじさん達が聞いてないんですよ。演出の意図がハッキリしていないから、あれは腹帯のことだろうと思うが、締め直すんだかゆるめるんだかはおまえ達の解釈でやれと言われ、あたしはゆるめてます。あすこで締め直す由良之助じゃ仇は取れない。」だそうです。
ちなみに印象的な、懐中の九寸五分を出して、血潮を手にとって舐め、五臓六腑に納めたてまつるシーンは人形浄瑠璃では死んだ殿さまのすぐ横で、渡された九寸五分をダイレクトに舐めたあと懐にしまう。
このあと人形浄瑠璃では提灯の紋の部分をカッターで切って懐に入れるが、歌舞伎では円筒提灯の加輪をとっぱらって日袋の部分を懐に入れた。このあと人形浄瑠璃では提灯の紋の部分をカッターで切って懐に入れるが、歌舞伎では円筒提灯の加輪をとっぱらって火袋の部分をたたんで懐に入れた。
いちばん大きな違いがラストで、人形浄瑠璃では「ハッタと睨んでぇ!!」とそれだけ台詞が入って由良之助がハケて幕となるが、歌舞伎は由良之助が花道を下がってるときに幕が途中までしまったところで止まり、急にソデから三味線の人が現れ、マドロス風に台に片足を乗っけたかと思うと「送り三重(さんじゅう)」を奏でる。由良之助はトボトボむこうへ入る。ちょっとシュールでおもしろい。

案内メニュー