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元禄美少年記

2,664 バイト追加, 2011年7月23日 (土) 11:53
ページの作成: {{Cinema|制作=松竹|公開=1955|内蔵助=柳永二郎|星=4|頃=}} 「美少年記」なんていうタイトルなので、チャラい映画なのかと思ったが、身…
{{Cinema|制作=松竹|公開=1955|内蔵助=柳永二郎|星=4|頃=}}

「美少年記」なんていうタイトルなので、チャラい映画なのかと思ったが、身分の低い[[矢頭右衛門七]]を主人公にすることで、徹底した階級差別を描いたなかなかの力作でありました。

いつもセリフでしか表現されない「若い」「身分が低い」といった事が、一体どういうハンデなのかが具体的に示される。

どの忠臣蔵映画も、浪士になったとたんに、たいがいはみんな平等になり、おたがいスマートな関係を保つものだが、この映画では佐野正平(架空)、[[寺坂吉右衛門]]、右衛門七の3人は、お歴々の内密な相談からはハズされ、「誠心誠意つくしても死ぬまであごで使われる」演出がなされている。

主人公・右衛門七を演じるのは17歳当時の中村嘉葎雄はたしかに、なかなか美少年。

とはいえ「美少年」ぶりは本編で強調or発揮されることもないわけだが、まさか「元禄階級差別記」と銘打つわけにもいかず、無難なタイトルにしたかと推測いたします。


講談や映画のように、右衛門七が[[大石主税|主税]]と友達という設定にはされておらず、加盟に加えてもらうだけで一苦労。

父・[[矢頭長助|長助]]の自害を持ってなんとか仲間に加わるが、果たしてその甲斐はあったのか・・・


身分の低い3人がいつも悔しい思いをしてるのだが、手柄を立てようとしてもついておらずヘマになり、そこにまた仲間からの中傷がかぶせられるので、また凹む。

この、差別される側の負のスパイラルがうまく構成されており、見ていて一緒にくやしくなる。

最終的に右衛門七がガールフレンドから茶会の日取りをゲットするも、それさえも「ああ、知ってるよ」的に取り合ってもらえない。

ここらあたりから、佐野が脱盟。

寺坂も討ち入り当日、右衛門七と外の警備という納得のいかない配属をされて最終的に逃亡。

右衛門七は吉良邸に奉公しているガールフレンドの鼓により音の導きによって炭小屋に吉良がいることを突き止め、最終的に手柄となる。しかしここでも仲間に吉良の居場所を伝えるだけで右衛門七は[[真貝弥七郎|新見弥七]]に斬られたガールフレンドを解放することで一番槍をほかにゆずる。